2008年1月21日
一昨日、土曜日に丸ビルホールにてWGC単独主催新春ゴールドセミナーを開催したところ、私のオーバーブッキングで立ち見が数十名でてしまい誠に申し訳ありませんでした。昨年後半2回開催したときには、新宿住友ビル、六本木ヒルズともに受講票を会場の定員の数だけ配布したところ、当日欠席が70-80名程度あり、結果的にその分が空席になってしまいました。(通常、この手のセミナーは受講者10名のうち実際出席は6名=歩留り60%というのが普通なのだそうです)。そこで、今回は、少しでも多くの方に参加していただきたいとの思いから、定員より多い数の受講票を配布したところ、歩留りがなんと88%に達したのです。いずれにせよ、見込み違いは私の責任。改めて近々、追加開催をお約束し、特に今回ご迷惑をおかけした方を優先的にご招待したいと思います。
さて、本論へ。足元の金価格は、18日金曜日も870-890ドルの幅広いレンジでのもみあい調整中。それでも、冷静に考えると、880ドル台という高水準を維持していることは驚きである。Resilient(しぶとい)。
今日は、サブプライムに潜む時限爆弾と言われる債券保証会社について詳説したい。場合によっては今後の反騰のきかっけになりうるからだ。実は、この話は本欄では昨秋から警告していた問題なのだが、仕組みの説明が難しく断片的な情報にとどまっていた。
この債券保証業者は英語ではbond insurer とかmonolineとか呼ばれ、日本経済新聞では金融保証会社と訳している。仕組みは、例えば財政赤字で信用度の低い発行体(例えば夕張市)が復興のために市債を発行するとして、そのままでは誰も買い手がつかないから、信用度の高い(トリプルA)の債券保証業者に頼み、万が一の債務不履行の際には返済してもらう約束を取り付ける。事務的には、毎期、発行体は所定の利息と保証料を払う。万が一、発行体が債務不履行となれば、債券保証会社が返済する。債務を肩代わりするという意味で債務不履行スワップ(credit default swap=CDS)と呼ばれるヘッジ商品である。
その債券保証会社の大手AMBACをフィッチがAAAからAAへ格下げした。債務保証するほうの信用力が落ちては、この商売は成り立たない。この背景にはサブプライムを抱えた地方自治体などの財務状況が悪化し、彼らが発行する債券(muniと呼ばれる。Municipalの省略語)の価値の大幅な毀損が、債券保証業者の代行返済能力を超えると判断されたためだ。
その結果、AMBAC、MBIAの株価が一日で数十パーセントも暴落したことは前回伝えたが、彼らの発行する債券も実質価値が3割から6割も急落し、ジャンクボンド扱いになってしまった。さらに、両社の株を空売りする投資家の数も急増。
1月11日 | 1月17日 | 増加率 | |
AMBAC | 449,500人 | 2,550,000人 | 467% |
MBIA | 199,000人 | 1,600,000人 | 709% |