豊島逸夫の手帖

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ユーロ独歩安

2008年10月22日

ユーロはドルに対し1.30、円に対しても130円そこそこまで急落。ドル円は100円50銭まで円高。これに反応して海外金価格はドル高(ユーロ安)を嫌気し、770ドル割れまで急落。これに円高(ドル安)がダブルで効くので、今日の円建て価格の下げ幅は大きくなる。

金融危機で900ドルに上昇したときは"有事の金"に飛びつくとロクなことはないと書いたが、今日のような海外金安、円高のダブルで国内金価格が急落する場合に買うと"ロクなことがある"ことが多い。750ドル台に接近し値頃感も出てきた。(なんか本欄で買いの話をするのも久しぶりだなぁ...)

さて、リーマンCDS決済結果は、清算会社が"損失割り当てなし"とのコメントで、案じられた支払不能は出ず。これがNY株式の前場では好感されて下げ幅も縮小したが、引け際にハイテク関連株の下げに連られダウも急落した。とくに昨日は自動車ビッグスリーが破たんした場合の話がフロアーを流れた。

衝撃的だったのは、カリスマ投資家カーコリアン氏がフォード株を見切り売ったこと。6ドル91セントで買ったポジションを2ドル43セントで売り払った。32億円程度の損失だから 絶対額はたいしたことはないが、カリスマ投資家がフォードを見捨てたというニュアンスがマーケットには厳しく受け止められた。

新米国大統領も デトロイト詣では鬼門だろうね。"高給取りばかり45,000人働くモルガンスタンレーには1兆円の納税者資金を投入し、266,000人が働くGMは見捨てる"というニュアンスをどうやって告げるのかな?

それから中国の経済成長率9%へ減速については、これもカリスマ投資家マークファーバー氏が"実態は5%"とか、他にも"6.5%くらいが実際ではないか"とか、様々な憶測が流れ飛ぶ。それほどに中国政府が発表するマクロデータは信用されていない。筆者は来週中国でじっくり"現地の実感"を感じてきたいと思う。

今日は業界向けGFMSセミナーでポールウオーカー氏とパネル。ときあたかも金急落でタイミングは面白い時期になりました。昨晩は楠田枝里子さんとトークをフォーシーズンホテルで行ったが、彼女は化学専攻で金との出会いは元素記号AUからであったとのこと。ファッショナブルな化学者のイメージで良かったね。

筆者は"尿管結石"という典型的おっさん病に取りつかれた。病名を告げたら周りに経験者の多いこと、多いこと。とにかく痛いね。先週末のWGCセミナーは(今だから言えるけど)激痛との戦いで拷問に近い状態であった。

2008年