2015年1月7日
先月「原油50ドル割れで米10年債利回り1%台」(本欄12月19日付け参照)を唱えていたヘッジファンドが、「原油40ドルで円115円」と言いだした。
外為市場では、ヘッジファンドのドル買い攻勢が加速している。しかし、その反対取引としての通貨売りの標的は円からユーロに移っている。投機筋の円売りが手薄になったところに、原油安・株急落が生じ、逃避通貨としての円を買う動きが顕在化している。
同時に、原油価格40ドルも視野に入ってきた。
ギリシャのユーロ離脱が取り沙汰され、市場の不安感も強まり、恐怖指数といわれるVIX指数も警戒水域とされる20の大台を超えてきた。
日米株価も下値模索の過程にあり、株安・円高が示現しやすい地合いでもある。
そこで、今回の円買いの流れの行きつく先は115円というわけだ。
仮にそうなれば、新たな円売り攻勢の恰好な仕掛けどころともなろう。
ユーロ売りトレードの賞味期限も、25日のギリシャ大統領選挙までと読める。22日のECB理事会直前あたりがユーロ売りのピークかもしれない。
焦点の欧州中央銀行(ECB)の国債購入型量的緩和政策については、独紙は3つの選択肢が検討の対象と報じている。
一つは、加盟国のECBへの出資比率に応じて各国国債の購入量を決める案。
二つ目は、購入対象をトリプルAの国債に限定する案。
そして三つ目は、ECBは動かず、各国の中央銀行がECBへの出資比率に応じて、自国国債を購入する案とされている。
いずれにせよ、日米と異なり、「どの国の国債を買うか」という難題が控えているので、総論賛成でも各論ではもめそうだ。
投機筋は、このような不透明感が漂う市場を狙う。思惑によるユーロ売りや、円買いで市場を揺さぶりやすい地合いになるからだ。
サプライズシナリオとしては、FRB利上げ後ろ倒しの観測が台頭するケースが考えられる。具体的には、今週金曜発表の米雇用統計が芳しくない場合はドルが売られるだろう。今年に入ってからの米国マクロ経済指標を見ると、予想を下回る数字が続いていることも気になる。
更に原油40ドルともなれば、FRBの目標インフレ率2%からの下振れも無視できまい。FRBは果たして物価下落中の利上げに本当に踏み切れるのか。今年のFOMC投票メンバーリストから、タカ派の両巨頭、即ち、フィラデルフィア連銀プロッサー総裁とダラス連銀フィッシャー総裁の名前が消えている。ハト派色の強い投票権メンバー構成となっていることも注目される。
こう見てくると、通年の円安トレンドは変わらずとも、短期的には円高に振れやすい地合いが続きそうだ。
金は円高で国内では割安感が出そう。
今日の写真は、昨日の仕事始め打ち合わせ会。
三越のフォートナム&メイソンでダージリンのグリーンティーとケーキセット。どれにしようか、かなり、うじうじ悩んで、チョコレートとバナナのクリームパイにした(笑)。
相場の決定判断は速いけど、食べ物になると、急に人が変わる~。