2015年9月1日
天津大爆発で、地方政府の役人たちと、現地の関連企業のなれあいが暴露され、人民からは、習主席が、大物の幹部を追放するより、国中にはびこる小物の役人も罰せよ、との声があがりそうだ。
株暴落についても、遂に、「中国発世界株安」と書きたてたジャーナリストが、自己反省を迫られ、処分される、などの事態に発展した。
私が中国にいたら、まず、間違いなく、拉致だね(笑)。
さて、NY原油先物価格が一気に50ドル近くまで反騰した。
絵に描いたような、ショート・カバー・ラリー。これまで空売りに走っていた投機家たちが、劇場の非常口に殺到するごとく、買戻しに走る現象だ。しかも、これだけ上げのピッチが速いと、ストップ・ロス(損切り買い注文)が続々発動され、買いの連鎖を誘発する。
なお、寄り付き後は一時下がっているので、日中の価格変動が激しい。
先日、日経プラス10に出演したとき、「なにせ、原油持っていない人たちが売っているのだから、彼らが、買戻しに入れば、アッという間に5~10ドルは上がる。」と語った。それが、まさに昨晩起こった。
本欄では、原油価格レンジを40~60ドルとして、これ以上売りの深追いには慎重なトレーダーが、メディアのインタビューでは「まだまだ売り方優勢。」と語るしたたかさを指摘した。
8月24日時点では、原油先物価格に売りシグナルが見えると書いた。先物価格を限月別に分析すると、先に行くほど、下げていない。これが、先高のシグナルというわけだ。
しかし、31日には、逆の先安シグナルが灯っている。先に行くほど上げ方が鈍いのだ。
期近では3.50ドルほど上げて49ドル前後をつけたが、例えば2016年10月ものは、ほぼ54.20ドルと2.30ドルほどしか上がっていない。
これまで「売られ過ぎ」だったのが、一気に「買われ過ぎ」になったということだ。
ショート・カバーでここまで急騰したが、そのあとに、新規の買いは続かない。
ここは、基本的供給過剰というファンダメンタルズで説明できるところだ。
昨日の上げのキッカケは、OPECが月報で「すべての原油生産者と話し合う用意あり」と書き、すわ、OPEC減産の思惑を生んだことだ。
しかし、市場のOPEC不信症は容易には消えない。
この高値は維持できず、レンジの下値40ドルを再び試すことになろう。
既に、時間外では48ドル前後にまで下落している。