豊島逸夫の手帖

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ヘッジファンド決算期前に強行される郵政上場

2015年10月15日

8~9月の世界連鎖株安で大きな損失を出したヘッジファンドが、起死回生を狙い、郵政上場を控える日本株市場に注目している。

ときあたかも、ウォールマートショックに揺れるNY株式市場では、IPOの事例が不安視されている。

「11月のヘッジファンド決算期直前に、巨鯨IPOが、オールジャパンでシンジケートが組まれ、強行されるのか?」

確認の電話を入れてきたNYのヘッジファンドの口調には、獲物を狙うごとき様子が感じられる。

マーケットの足元を見て、揺さぶりをかければ動かしやすそうな市場を標的に、起死回生を狙う意図が透ける。

「この案件の前提は、日経平均20000円程度、円相場120円台ではなかったのか。この時期に、利上げに関してFRBの内部亀裂が顕在化して、中国経済悪化が加速という市場環境は想定されていなかっただろう。」

たたみかけるように、質問を投げてくる。

世界同時株安2.0の可能性も視野に入るなか、オールジャパン・シフトで成功させねばならない案件をかかえる日本市場は、ただでさえ外人プレーヤーの売買が6割以上を占める。

そこに、日本人個人投資家が、期待をこめて、郵政上場をチャンスと狙っている。「小遣い稼ぎ」程度の意識で参入を目論む初心者も多そうだ。

ヘッジファンドには、「動かしやすい」市場に映るのだろう。

日本人個人投資家対ヘッジファンドの構図は、思わぬボラティリティーを生む可能性をはらむ。

ちなみに、週刊現代今週号の、「日本郵政株、私は買うか、買わないか、プロ20人の最終決断」というアンケート調査で、私は「買わない派」でした(笑)。

さて、世界同時株安の匂いとともに、金プラチナ価格続騰。

私の見立ては、利上げ実行時に1030ドル、中長期的には1200ドルの生産コスト水準に戻る、と日経インタビューで語ってきました。

その利上げが先送りされ、金は1180ドル台、プラチナは1000ドル台タッチ。ただし、未だ、利上げの洗礼は受けていない状態だ。

2015年