豊島逸夫の手帖

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ISが悪用か、暗号化アプリ

2015年11月18日

まず、昨晩、ワールド・ビジネス・サテライトに出演。以下で、見られるよ。「パリ同時テロ最新情報、断固とした姿勢と不安」をクリックして、後半に出ている。

http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_101209/


さて、そのパリ同時多発テロを事前に把握できなかった理由の一つとして、ISが連絡手段として、従来のSNSから暗号化アプリ使用に移行した可能性が指摘されている。アルゴリズムを使った暗号文は、FBIやCIAも解読できないことを、当局自ら欧米メディアで認めている。元はといえば、ハッカー対策として開発されてきたのだが、ISはそれを悪用していることになる。一例としては、telegram(テレグラム)というアプリを使うと、自分が投稿したメッセージ・画像・動画などを数秒後に自動消滅できる。一切記録には残らない、という事例が、米国ではテレビカメラの前で実演され報道されている。

ただ、ネットのセキュリティー強化に有用な技術なので、シリコンバレーも、これまで規制には消極的だった。しかし、パリ同時テロにより、議論の流れが変わる可能性がある。

このままでは、様々な情報解釈が流れ、社会の疑心暗鬼が広がりかねない。

17日には、ドイツでのオランダとの親善サッカーが、開始2時間ほど前に突如中止になる一幕があった。メルケル首相も観戦に向かう途中だったという。「具体的に信じるに足る情報で、なんらかの爆発計画があった。」と現地のハノーバー警察トップは語っているが、当然その情報分析についての詳細は明らかにされていない。果たして、そのような計画が実際にあったのか、万一を考えての予防的措置であったのか、真相は闇の中だ。

NYでは、上昇基調にあった株価も、このニュースを受け急落した。

911でヒーローになったNYPD(NY警察)がパリに向かったとのニュースも米国市場の警戒感を高めた。地政学的リスクが、まだ残ることを印象づける一幕でもあった。

市場の動きとしては、原油市場が、米国主導の有志連合による、ISの支配する原油生産関連施設への空爆強化を材料視している。これまでの原油関連工場から輸送中のトラックなどへ標的を拡大した。当然、一般市民を巻き込む確率も高まるリスクも伴う決断だ。市場の推測では、日量2万7千バレル。原油価格を50ドルとすると年間約5億ドルの原油販売収入となるという。ISの収入源としては大きな額だが、原油市場の需給としては、微量だ。とはいえ、原油価格が日中40ドルの大台に接近すると、さすがに買戻しが入り、その際の材料に使われている。

一方、金利がつかない金の市場は、「有事の金より利上げ」が気になる。1060ドル台と、約5年9か月ぶりの安値に沈んだ。今後、利上げ観測が更に強まれば、1030ドル程度の水準までの下げは視野に入る。逆に、反騰のシナリオとしては、ISテロ再発・米軍のシリア陸軍投入などが挙げられる。

IS関連の地政学的リスクは長期化必至の様相だ。

昨日は朝日新聞で内田恭子さんと対談。

今日は、偶然にも、またまた「恭子」さんと対談。こちらは、14歳で水泳金メダルとった岩崎恭子さん。

内田恭子さんは、ドイツ生まれ、シカゴ育ちだけあって、国際派。資産を円だけで持つことのリスクを、いうまでもない、という感じで理解していた。プラチナのほうが金より安いと言ったら、さすがにビックリしていたけど。二児のワーママなので、結婚して子供生まれると、その瞬間から、資産運用の姿勢も長期になるという話には強い共感。お馴染み金貨アルバムも激しく同意。

さて、今日の恭子さんとは、どういう話になるかな。。。。

今日の写真は、昨日の日経記事見出し。

やっぱり、「日経が書いたら売り」やね。。。(笑)

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2015年