豊島逸夫の手帖

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上海株暴落、李首相の進退問題に

2015年8月28日

上海株安の責任を、李首相がスケープゴートになって、詰め腹切らされることになるかもしれない。

その、上海株は一旦下げ止まりの様相だが、あくまで、政府の繰り出す、なりふりかまわぬ株価下支え策の効果。いつまでも、人為的に株価を封じ込めることは出来ない。

当局は、暴落を引き起した直接的犯人は、空売り攻勢をかけた投機家だとして、公安警察が犯人探しに駆り出されている。株で大損して自殺した人たちの報道も規制されている。

それにしても8000万人といわれる個人投資家が損失をこうむり、財布の紐が固くなったことで、消費への負の資産効果は無視できない。

いっぽう、企業側は、相変わらず、過剰設備に喘いでいる。

例えば、自動車産業は、年間5000万台を生産する能力があると見られるが、実際には2500万台程度しか生産していない。

この問題は、川上の素材産業(鉄鋼、板ガラス、アルミなど)にも波及し、このセクターの多くの企業が過剰設備をかかえている。

この根源的問題は、容易に解決することは出来ない。

ストック調整にある国が、経済成長維持のために、更にストックを増やさねばならないところに、ジレンマがあるのだ。

なお、中国の金需要は徐々に戻りつつある。

それから、今日28日の朝日新聞朝刊に、金対談が掲載されている。

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文中に、円高より円安のときのほうが買いやすい、と語っている部分について、質問を受けたが、円安のときのほうが円建て金価格は上がりやすく下がりにくいから、という意味だよ。

朝日の電子版にも出ている↓

http://www.asahi.com/and_M/living/SDI2015082709071.html?iref=comtop_fbox_u03


それから、明日のABC朝日放送の出演番組はこちら。私の担当は中国。↓

http://asahi.co.jp/mikata/


そして、明後日日曜発売の日経ヴェリタス・コラム「逸's OK!」は、「イエレンの悪夢」と題する一文。

2015年