豊島逸夫の手帖

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世界のマネーの流れ、最新情勢をTVで語る

2015年3月26日

昨晩、日経CNBCニュースコア・ワイド30分拡大版で、首題のテーマにつき語りました。ここで↓、無料視聴できます。前回の予測グラフを出して、反省セッションもやりました。 本音ぶっちゃけ30分やって、スッとした感じ(笑)。

http://www.ustream.tv/channel/nikkei-channel-business

さて、「ヘッジファンドの日本株買い」が語られるが、本番は新年度明けの4月から。まだ、一部の先行組が買い始めたに過ぎない。多くのヘッジファンドは、この1~3月、欧州を主戦場として、ユーロ売り、欧州株買い、欧州国債買い攻勢を仕掛けてきた。しかし、ECB量的緩和開始も、そろそろ賞味期限切れ。そこで、新年度に入ると、買いのターゲットを日本に向ける可能性が強い。

但し、欧米年金マネーに加え、ヘッジファンドが買い始めるとボラティリティーは高まる。逃げ足も、売買回転も速いからだ。特に5月は要注意。

本欄で「ヘッジファンド、早くも「セル・イン・メイ」を視野に」と書いたのが、3月11日であったが、その後、その可能性が高まっている。

その根拠は、6月に米利上げに関する何らかの進展と、ギリシャ救済プログラムの4ヶ月延長が期限切れを迎えることだ。ゆえにマーケットがリスクオフに陥る前に買いポジションを売り手仕舞う動きが予想されるのだ。

特に、6月FOMCで、利上げ開始あるいは利上げは9月などのフォワード・ガイダンスがより具体的に明示されそうな展開になっている。

いっぽう、ギリシャ問題は、ドイツ国民とギリシャ国民の感情的溝が深まっている。もはや、メルケル首相とチプラス首相がひきつった笑顔で共同記者会見しても、国民が納得しない。あのドラギ総裁でさえ、しばしば、言葉を荒げている。「いい加減にしないか。早く具体的構造改革プログラムを見せろ。」とばかりに迫る。ギリシャの資金繰りも、年金基金を取り崩してまでのやりくりを強いられている。ドイツ国民の世論調査でも、ついに「ギリシャのユーロ離脱」やむなしとの意見が過半数を超えた。その場しのぎの「瀬戸際政策」をいつまでも続けるわけにもゆかず、6月くらいに、ギリシャのユーロ離脱懸念が高まりそうな展開だ。

そこで日本株だが、新年度に入り、ヘッジファンドが本格参入すれば、相場も日経平均2万円のハードルを超えるだろう。

しかし、ボラティリティーは高まる。

その間、年金など長期マネーは粛々と買い続ける。

同じく長期スタンスの個人投資家にとってはリスク耐性が5月に試されそうだ。

そして、金も5~6月は荒れそうだ。

足元では、米経済データが芳しくなく、利上げ時期後ずれが意識され、金には追い風になっている。上がって、1200ドルに接近中だ。しかし、米利上げ観測が定まらず、まだ底値打ちとはいえない。

それから、今朝の日経朝刊の「特集」面に、NYから帰国して日経ホールに直行。遅刻して途中参加となった日経セミナーの採録が載ってます。私の「問題発言」は全てカットされました(笑)。

2015年