豊島逸夫の手帖

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中国変調、アップル株を直撃

2015年8月5日

アップル株価が3日に200日移動平均線を割り込んだ。それでも、200日移動平均線には「ダマシ」が多いので、4日の値動きに注目していたが、3%続落した。いよいよ調整局面入りといえる。

米国を代表する銘柄だけに、その影響は大きい。

今回の下げは、中国経済悪化が主要市場中国での売り上げに与えるインパクトを懸念した売りとされる。

更に、アップルウォッチやアップルミュージックの伸び悩みも指摘されている。9月に発表予定されている新型i-phoneが、失地挽回できるか。疑問視する向きもある。

なお、7月21日の決算発表からの株価下落で、アップルの失った時価総額は、マクドナルド一社分に達するとも言われる。

いっぽう、4日のNY市場は、ロックハート・アトランタ連銀総裁の発言で、株は急落。ドルは対円で124円40銭台まで上昇した。

「よほどの経済悪化がなければ9月利上げの準備は出来つつある。」とのコメント報道を受けて、米国10年債利回りも、2.18%から2.22%にまで急騰した。

利上げが未だ織り込まれていないことを印象づける事例だ。

同氏の発言を読んで、筆者が注目したことは、インフレ率低迷のくだり。FRBは「インフレ率が2%に向かうことに、相当な自信が持てる状況」を利上げ決定の一要因として強調してきた。

そして昨日ロックハート氏は「自信を深めた。」と表現した。

失業率が下がればインフレ率は上昇するという基礎経済理論に基づき、利上げは決定されるべき、との意見である。

その経済理論の妥当性をいつまで論じていても、キリがない。ここは、オーソドックスな理論解釈に基づき、行動すべきだ、と読める。

エコノミスト的議論に終始していては、いつになっても利上げの結論は出ない。ここは決断力が求められる、と筆者も思う。

なお、ロックハート氏の発言が、これほどまでに市場を動かせた理由としては、同氏が、ハト派・タカ派の中間派であることを著名なFEDウォッチャー、ヒルゼンラース氏は挙げている。

とはいえ、9月FOMCまで、未だ2回の雇用統計が控える。

中国発国際商品下落の連鎖という、利上げ判断に影響を与えかねない新たな事象も生じている。

おそらく、9月16~17日開催のFOMCは、二日目の最後まで議論が白熱する展開となりそうだ。

アップル株動向も、中国経済が米国企業に与える影響を計る一つの判断材料となろう。

そして、日本株も、中国はもとより、米利上げにより振られることも覚悟せねばなるまい。

一方、これまで売られてきた原油・金は反発。

国内では、金がバカ売れだね。プラチナも。

貴金属に関してはニッパチはない。

2月でも8月でも、下がれば売れる。

皆、下がるのを待っていたんだね~。

今日の写真は、機上から見えた富士山。


このために窓際の席にした。

そして洗足池マガーリで食した、サワラ(だったかな 笑)。


とアナゴのイタリアン風グリル。


シェフたかさんの手にかかると、同じ素材でも、こんなに素敵に変わるものか。

2015年