豊島逸夫の手帖

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元日銀マン、定年後の資産運用は?

2015年7月29日

筆者は団塊の世代ゆえ、昔馴染みの人たちから、定年後の資産運用について頻繁に相談を受ける。

アベノミクスが始まってからは、外貨建て投資とインフレ・ヘッジに対するヘッジについての質問が圧倒的に多い。

足元では、金価格が急落したので、またぞろ、元日銀マンや元財務官僚たちが、金買いの方法について色々聞いてくる。それも、切羽詰まったような表情が多いことが気になる。金を買うという投資行動は、ドルや円に対する不信任投票だからだ。「通貨の番人」として数十年勤めてきた人間が、守ってきたはずの自国通貨=円を定年後の個人的資産として持ちたがらない。日銀の量的緩和の実態を目の当たりにしてきた人たちは、日銀の現場の混乱を痛感している。日本国債を買えば買うほど、国債市場の流動性が枯渇してゆき、金利は振れやすくなるからだ。いっぽう、元財務官僚の知り合いが、酒の席の冗談とはいえ、「日本の財政はジンバブエ化する。」などとポロリと言ったりする。それを聞く筆者の背筋はヒンヤリする。

エリート官僚といえど、定年退官すれば、一個人投資家になるもの。

証券会社の個人口座設定も初めてのことゆえ、妻同伴で、娘より若い支店の女性社員の「リスク開示」等に関するガイダンスを神妙に聞いていたりする。「投資信託は何を買えばいいのか。」兆単位のカネを動かしてきた人物でも、リテールの分野で支店カウンターの反対側に立つ身になると、どうしてよいか分からない。

米国では、バーナンキ元FRB議長が、「住宅ローンを借り換えようとしたら断られた。」という実話をコンファレンスで披露している。オバマ大統領は家族と外食した際に、クレジットカード支払いが拒否されたことがある、とも語っている。

どんなに偉い人でも、個人の立場になると、機械的にただの人扱いを受けることもある事例であろう。

それでも危機感をあらわに、マネー誌を持って事務所を訪れる「元偉い人たち」は、アベノミクス失敗に備えたヘッジを講じている。

出遅れているのは一般庶民たちかもしれない。

さて、今日の猫写真は、親せきに飼われている20歳近い老猫。


名前はマドンナ。最近、暗がりにじーーっとうずくまることが多くなり、皆で心配しています。古くからのブログ読者は覚えているかな~。うちの愛猫、ミミが死んじゃったとき。ショックで何する気もおきず、ブログも2週間以上休みました。人間て、こんなに泣けるんだ、というほど、泣いた。あいにく、当日午後からセミナー。目は泣き腫らしで四谷怪談のお岩さん状態。やむなく、ゴルフ用のサングラスして登壇したけど、なんか、怪しいオヤジが出て来たな、という会場の雰囲気だったな。

それでも性懲りもなく、いまだに自室はミミの写真だらけ。

なぜかモモの写真は少ない。可愛そうなモモ。。。

ミミが存命中は、純血種のミミに家族中が注目して、雑種モモ(近所の公園で拾われた。)の存在感が薄かった。今から思えば、それがストレスだったのか、お腹をぺろぺろなめて、お腹の部分だけ、円形脱毛症状態になるほど。それが、ミミが死に、わが世の春になるや、キレイに円形脱毛が消えてしまった。

まぁ、猫の話になると、止まらなくなるから、今日はこのへんで。

2015年