豊島逸夫の手帖

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南沙諸島で存在感を示すか、オバマ大統領

2015年10月27日


オバマ大統領の国際的存在感が弱まっている。

アングロサクソンの兄弟分イギリスは、ロンドン近郊に中国製原発を建設するほど中国に接近している。

シリア問題では、プーチンにやられっぱなし。


そもそも、米国が空爆に踏み切る寸前に、プーチンがアサド大統領を説得して、「外交的解決」の道を探るための音頭をとった。プーチン得意の柔道に例えれば、「一本」取られた。そこで、話し合いでの解決を目指したが、ロシアは、徐々に、シリアへの軍事的介入を強めていった。そこで、米国側は、イスラム国撲滅という錦の御旗のもとに、一部のアラブ諸国と有志連合を組み、限定空爆開始。ところが、プーチンも黙っておらず、ロシア軍による空爆を始めた。米露の偶発的衝突も視野に入り、危機感が強まったところで、オバマ大統領は、米軍による空爆停止を決断した。米軍が支援していた穏健派反アサド勢力が弱体化して、アサド政権をひっくり返せないことが明白になったからだ。結果論だが、ロシア空爆で、米国側不利の状況となり、しぶしぶ軍事介入を縮小したわけで、これまた、プーチンに一本取られた感がある。


そして、最新状況は、アサドをプーチンがロシアに招待して、今後の協調体制について話し合った。アサド政権の暫時延命させつつ、次の体制作りを進める目論みのようだが、懐疑的見方が多い。いずれにせよ、中東での米国の存在感が薄れた。

そこで、オバマ大統領は、南沙諸島で存在感を示す行動に出た。

中国が「領海」と主張する「公海」の南シナ海人口島12カイリ(約22キロ)以内の海域において、横須賀基地配備の駆逐艦で、国際法に基づく「哨戒活動」に従事するという。

これに対して、中国も黙ってはいまい。

米中が真正面から対峙することになりそうだ。

南シナ海は、原油・天然ガスなど資源が豊富。軍事的にも極めて重要な位置。中国の一帯一路(新シルクロード)も、ここを通ることになる。日本にとっても、中東からの大型タンカーが通る場所なので、ここで何か起きると、たちまち原油供給ルートが絶たれる。

米国は、ウクライナやシリアでロシアと対峙し、南シナ海で中国と対峙する。

この問題はマーケットでも、地政学的要因としての重要性を増すであろう。


さて、今日の写真は、習近平訪英について、テレビで説明しているところ。東野MCと。10名以上の出演者があちこちから、突っ込み入れてくるのが、面白い。


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実はね、ぶっちゃけ、腹の具合がおかしくて、しかもスタジオは寒いものだから、前で立って解説中、激しい「便意」に襲われ、脂汗~後で、ビデオ見たら、ずーっとカラダがソワソワ揺れているので、思わず笑ってしまった。

いやはや、完全に油断してたね。


それから、日本FP協会宮崎支部(11月7日)、青森支部(11月14日)のFPフォーラムで講演。一般個人参加可。お題は、どうなる、円安、原油安、低金利、株高。


https://www.jafp.or.jp/tbb/?hojin_cd=945


https://www.jafp.or.jp/tbb/?hojin_cd=902


11月3日には、13時から新潟三越で「家族で考える資産セミナー」講演。誰でも入場できる。

2015年