2015年1月27日
人民元の対米ドル相場が6.25台前後と昨年6月以来の水準に急落している。
人民元の変動幅は中国人民銀行が設定した2%の範囲内で「管理」されているが、その(人民元)下限に接近中だ。
中国も遂に通貨安競争参戦の兆しとも読めるので、注目される。
但し、今回連想される通貨安競争は、国際競争力改善に加え、デフレ回避の新たな面を持つ。
中国経済減速の結果、物価上昇率が1%台まで下がっているからだ。
いまや中国人民銀行の政策目標も、インフレ鎮静化から物価上昇誘導へ移りつつある。物価上昇目標達成に苦慮する日米欧の中銀と同じような状況なのだ。
そこで、通貨安を通じて物価を引き上げることも金融政策選択肢の一つとなる。
更に、失業も社会不安現象として問題化しつつある。深センでは、閉鎖された工場が目立つ。そこで、李首相が2015年に一千万の雇用を創出すると、現地紙も報じている。金融政策も、利下げや中小企業向け融資拡大など緩和傾向に転じた。通貨安による輸出産業テコ入れもその一環と考えられる。
経済成長の「質」を重視しつつ、物価下落歯止めと景気浮揚も無視できず、金融政策も綱渡りを強いられているのだ。
おりから、欧州では、スイスショック、欧州中央銀行(ECB)国債購入型量的緩和導入、そしてギリシャ不安により、ユーロ下落に拍車がかかっている。ドル・ユーロのパリティー(1ドル=1ユーロ)さえ絵空事とは言えない状況だ。
そして、日本の10.31サプライズ緩和以降、人民元の対円相場が上昇した過程でも、中国人民銀行が、この自国通貨高を放置・容認するのか、常に注目されてきた。
米国サイドに目を転じれば、27、28日と今年最初のFOMCが開催される。今回はイエレンFRB議長の記者会見もなく、そこでの議論内容については後日の議事録要旨公表を待たねばならぬ。
とはいえ、前回FOMC開催時(12月16-17日)には、原油価格(WTI先物)は55ドル台、ユーロの対ドル・レートは1.23台であった。それが、現在は、原油は45ドル台、ユーロ・ドルは1.13である。原油急落とドル高による物価引下げ効果をもはや「一時的」の一言で片づけられる状況ではあるまい。FRBが用いるインフレ指標(PCE)も目標の2%から1.2%まで下振れしている。そこで、利上げ後ずれ説がジワリ拡大中だ。
また、インド、トルコも利下げに踏み切った。
各国金融当局は「通貨安は政策目標ではない」と口をそろえるが、状況証拠は、他国の通貨安が気になる地合いを示唆しているのだ。
中国の金購入も、価格に敏感になっている。
足元では春節の時期は金が売れる。
しかし、通年で見ると1300ドル台では買い気が薄い。
1250ドル以下になると徐々に動き出す。
さて、今日の写真は、我が家の自家製キリタンポ。
秋田のばあちゃん伝来。キリタンポから家で作る。
そしてセリやゴボウ、大根、比内鶏など具沢山。
これが出来ると、2-3日はキリタンポ連続だね。全く飽きない。出来た翌日、翌々日と日がたつと味が沁みて、旨みが深まる。