豊島逸夫の手帖

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来年利上げも示唆、イエレン議長講演

2015年9月25日

「利上げの条件が揃い、年内利上げ適切と多くのFOMC参加者は考えている。但し、サプライズがあれば、この判断は変わる。」

後半の部分は、利上げ2016年に先送りを示唆する言い回しだ。

イエレンFRB議長が「インフレのダイナミックスと金融政策」と題して、マサチューセッツ大学で日本時間午前6時から行った長文の講演で、市場が最も注目した箇所である。

これまでと異なる点は、利上げ判断基準を「マクロ経済データ次第」と述べてきたが、そこに「サプライズがなければ」ということを2回挿入したことだろう。

引き続き「海外情勢も注視」と語っているが、具体的に「中国」を名指しすることは控えた。訪米中の習主席への配慮であろうか。

筆者が注目したところは、「最初の利上げのタイミングと、その後の経済情勢次第での調整」のくだりだ。0.25%に利上げした後に、状況次第では、利下げで調整する、とも読める。

更に「我々の理解にも限界があり、我々の経済モデルによる予測はしばしば間違える。ときに、大きくsignificantly誤まることもある。」とヘッジをかけている。

いずれにせよ、マーケットが注目した今回のイエレン講演で、市場の不透明感が和らぐことはなかった。

利上げ年内か来年か、さまざまな見方が交錯するなかで、ボラティリティーだけが高い状況が続きそうだ。

講演原文はコチラ↓

http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/yellen20150924a.htm


なお、今日のイエレンさん、檀上で言葉に詰まり数十秒も原稿読み上げ中断するなど、おかしいと思ってたら、脱水症状だって。ストレスの極みなんだろうね。ジャクソンホール欠席したのも、健康問題なのかな。。フィッシャー副議長の存在感が高まる。

そして、VWショック。

プラチナは940ドル台。950ドルがレンジの上限ポイ。とにかく、未だ、全容が明らかになっておらず、消費者のディーゼル車に対する反応も分からない段階。いずれにせよプラチナ需要の根幹を揺らす事態。

一方、金は米利上げを巡る市場の不安感の中で安全資産として買われ、1150ドル台。

金プラチナ値差が遂に200ドル突破。

これまでの市況の法則なら、スプレッド開きすぎで縮小の動きが出るのだけど、今回のような突発的事態では、過去の事例が参考にならない。

利上げについては、今週号日経ヴェリタスに「利上げして欲しかった」と題する原稿を寄稿。連載コラム「逸's OK!」。

そして、久しぶりの旨い物写真。

洗足池マガーリで。

栗のポタージュ。季節感あって、クリーミーな栗の味が絶妙だった。


パスタは、アナゴと野菜たっぷり。これが、抜群のコラボなんだよね。


アボガドとクルマエビのタルタル。これはヒットして定番になった。


そして、茸のフラン。写真では生ハムのうえに目玉焼き乗ってるけど、中にふっくらキノコ。センス良い組み合わせだった。


相変わらず、ブログ読者の来店が多いそうで、私も嬉しい。

2015年