豊島逸夫の手帖

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FOMC前夜、金プラチナ急騰

2015年9月17日


昨日、米国の消費者物価上昇率(8月)が発表された。前月比でマイナス0.1%。食品・エネルギー関連を除くコアではプラス0.1%。FRBが安定目標とする2%には遥かに及ばず、あらためて物価上昇が鈍いことを印象づけた。

金はインフレヘッジゆえ、物価が上がらないことは、売り材料のはず。ところが、今回に限っては、インフレ率低迷がFOMCでの利上げ先送りの理由になるので、買い材料とされ、金は1120ドル台まで急騰した。プラチナも970ドル台。

貴金属市場は9月利上げなしという見解で固まったようだ。

本欄でお馴染みのCMEのFEDウォッチでも、9月利上げ確率が27%から21%にまで下がった。

10月利上げも42%から39%へ低下。


但し、エコノミストの見方は、9月利上げにつき、真っ二つに分かれている。

私の見方は、2016年初ということで変わらず。

市場は、上げるなら上げるで、早く決めて、不透明性を除去したいというモード。

ちなみに、FOMC前夜に世界同時株安現象。更に、原油も5%以上上がった。

やはり、市場は9月利上げ見送りを見込む。エコノミストの「利上げすべし」との、すべき論とは異なる。

それにしても、今日は、安保法制とFOMCとほぼ同じタイミングで決断の時を迎えた。

政経ともに、今年の重要な一日になった。


私も、タップリ昼寝して、今夜の徹夜に備える!

ここのところ、ストイックな日々が続く。

来週の大型連休も札幌セミナーやら日経マネー対談やら、仕事で全部埋まった。

来月は、緊急欧州難民問題の実態を現地で見るために、トルコ出張も決まった。

今秋は遊びは、ほぼ諦めたよ~まぁ、こういう年もあるよ。


ちなみに、欧州難民問題の根っこはシリア内戦。シリア国内が安定しなければ、人口2200万人が続々周辺国に逃れて難民は増えるばかり。従って、シリアのイスラム国、そして反体制派の過激派を制圧するために、空爆強化もやむを得ず。米国は陸軍も含め軍事介入を加速させる。イギリスもフランスも参加。対して、ロシアもシリア国内に武器供給などの動き。これが、シリア問題悪化を連想させ、原油価格急騰の一因ともなっているのだ。


ギリシャも総選挙。チプラス君も、楽勝かと思いきや、かなり苦戦。こちらの問題も、まだまだ、目が離せないので、トルコの帰りにアテネにも寄るつもり。イスタンブールから空路1時間だからね。

2015年