豊島逸夫の手帖

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衝撃の調査結果、アジアで日本の若者が最も「経済的余裕がない」

2015年3月23日

日本経済新聞がアジア10カ国の若者調査をやって結果を発表しました。対象は大卒20~29歳の若者、各国200人ずつ、計2000人です。
そこで衝撃的な事実が明らかにされたのです。
日本の若者で「過去1年に経済的に余裕があった」と答えた人が10カ国中最低の25%!
更に、「3年後に同世代の人より生活レベルが上になっている」とみるひとも、日本人が最低の28%なのです。
アジアで日本人が最低の項目は、まだ続きます。

「収入に満足している人」18.5%。
「仕事に満足している人」28%。
「恋人・配偶者との関係に満足している人」32.5%。

この3項目、すべて、アジア最低です。
「3年以内に買いたい製品、利用したいサービス」のなかで、日本人は、唯一、国内旅行(39%)が海外旅行(33%)を上回り、旅行でも近場が人気とのこと。

調査国は、中国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポール、韓国、日本です。
このなかで、平均月収がダントツに高い国はどこだと思います?
シンガポールで約36万円!
2位が韓国で25万円。
3位に日本が入って22万円。
4位が中国で16万円。
この円換算の数字には、多分、円安も影響していると思います。
アジア各国の通貨に対して円は非常に安くなっているので、アジアを中心に外国人観光客がどっと日本に押し寄せていることと符合しますね。

やっぱり、私が常日頃言っているように、円安で日本人は間違いなく(比較すると他国より)貧乏になっているのですよ。日本に閉じこもっているとピンときませんが、この調査結果が、その事実を雄弁に物語っていますね。だからこそ、外貨建て資産を持つ必要があるのです。儲けると言うより、目減りを出来るだけ抑えるという発想ですよ。金も、その外貨建て資産の一つの選択肢です。

金といえば、「3年以内に買いたい製品、利用したいサービス」のなかに、「金」が入ってきた国が3カ国もありました。マレーシア・フィリピン(いずれも3位)、そしてインドネシア(4位)です。若者が欲しいモノランキングでゴールドが上位に入るとは、さすが金好きのアジア!
なお、買いたいモノランキングを見ると、総じて、海外旅行がトップ。次が車。そしてスマホ。
日本だけ、「車」が入らず、代わって「国内旅行」が2位に入っています。ちなみに日本の1位はスマホ、3位は海外旅行。
シンガポールだけ、3位に「定期健診」が入っていました。
注目の中国の1位は、同率首位で、海外旅行とスマホ。

更に香港の証券会社の試算によると、東京オリンピックの2020年には、2億人の中国人が海外旅行に出かけ、その人たちの84%はSNSで写真を発信するそうです。
オリンピック会場でも中国人の応援が凄いことになりそう。
クレジットカードの保有率も、中国が83%でトップ。日本が2位で79%。
今、中国では「三奴」という言葉がはやっています。
カード・車・マイホームの奴隷という意味だそうです。
(マイホームは「製品」とはみなされず、この調査には入っていません)

それにしても、中国が凄いのは分かっていましたが、日本がここまで最低項目が多いとは。。。はっきりいって私もショックですよ。
ちなみに、金購入も最近は20~30代の若者が多いのですが、その購入理由には、「将来の生活を守るため」という意識がはっきりうかがえます。
成熟国日本の若者は、氷河期世代。新興国の若者は、まだ、将来に希望を持って、積極的に行動している。
もちろん、調査結果だけで一般化はできません。日本人の若者だって、元気な人もいっぱいいます。
それでも、こういう全体図の国別比較を見せつけられると、考えさせられることだけは確かですね。
そんな状況なので、来月から「25歳のあなたへ、これからの貯「金」講座」というタイトルで若年層向けネット媒体マイナビに連載コラム書くことにしました。かなり大胆に「25歳」と決め打ちで、踏み込んでみます。新聞も読まず、テレビも見ず、殆ど、ニコ動経由で情報を取る傾向が見られる世代。パソコンの使い方も知らず、卒論もスマホで打つ世代。かなりのチャレンジですが、やってみます。

さて、昨晩は自宅で「きりたんぽ」パーティー。写真のように、炊いたお米をすりごぎでつぶし、たんぽ串に巻いて、焼き上げます。出来上がりは具だくさん。秋田のばあちゃん伝来の味つけです。今朝の朝食もきりたんぽ。一晩おくと、また味がしみて、まろやかになります。「たんぽ」とは、本来、稽古用の槍の先につけるもの。だから、本当は、先端を丸くして、下の部分を、灰に立てて、炭火で焼く。

2078a.jpg2078b.jpg2078c.jpgなお、あさって水曜日は日経CNBCニュースコア30分拡大版に生出演します。例によって、旬の話題をもろもろ。話題あり過ぎ。↓

http://www.nikkei-cnbc.co.jp/program/newscore/

いつものようにUstreamでも生配信そして1週間は無料視聴できます。

2015年