2015年2月5日
4日NY株式市場の引け前20分になり、ECBが流したニュースリリースがマーケットを直撃して、株価が急落した。
「ECBはギリシャ国債を、資金供給オペの適格担保として認めてきた特別措置を撤回する。」との内容だ。
今回の決定の理由については「現在進行中のギリシャ救済プログラムが成功裡に締結されることを前提とすることは不可能との事実に基づく。」と記された。
これは、資金供給を殆どECBに依存するギリシャ民間銀行にとって、ライフラインを遮断されることを意味する。但し、ECBはギリシャ中銀に民間銀行への「緊急流動性支援」を認める方針だ。銀行取りつけなど最悪のケースを想定しての措置と見られる。
いずれにせよ、このECBニュースリリースで、市場に広まっていたギリシャ楽観論が瞬時に吹っ飛んだ。
今週、ギリシャのチプラス新首相は、新たな救済スキームを説明・検討するため、欧州諸国訪問中だ。EU本部(ブリュッセル)とオランド仏大統領は、受け入れの姿勢を見せた。そして、5日に、いよいよ最も手ごわいショイブレ独財務相との対談に臨む直前に、ECBはサプライズ発表を投げたことになる。
その決定には、やはりドイツの影がちらつく。
独ビルト紙の世論調査によれば、新たなギリシャ債務削減に国民の68%が反対している。同紙は、ギリシャの造船富豪の脱税を取り上げ「ギリシャの富裕層に税金を払わせろ。」と書いていた。
ショイブレ氏も「脅迫されてギリシャ救済することはない。」と語っていた。このような状況をメルケル首相ももはや無視できない。ギリシャがユーロ圏にとどまることを望むと語りつつ、財務相の発言を支持する姿勢を見せていた。緊縮・構造改革なくして、ギリシャ救済はあり得ない、との基本的立場は変わらない。
これに対し、ギリシャはドイツとの「歴史認識」の温度差をちらつかせている。ナチによる第二次世界大戦の賠償を蒸し返す戦略だ。ドイツ側は、法律的に解決済との見解を変えていない。
さて、今回のECBサプライズ決定により、まず市場が懸念することは、今月末に現ギリシャ救済策が期限切れになること。そこで、ギリシャの新財務相は、100億ユーロの短期債発行により、今後3ヶ月をとりあえず乗り切る案を提示してきた。しかし、ECBは難色を示していた。そこで、同財務相は、4日にフランクフルトの欧州中央銀行(ECB)本部でドラギ総裁と会談して、説得を試みていた。
ギリシャ債務不安が危機となる危うさを市場は感じている。
このニュースは金にとっては上げ材料。
1260ドル割れから1270ドル超えまで上昇した。
今日の写真は、先週京都で食したフグの刺身、煮こごり、白子の3点セット@らく山。酒飲まないから白子をお茶で食するのは、ちょっとね~。煮こごりは絶品だったな~。白子は連れに横流し(笑)。