豊島逸夫の手帖

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ギリシャのおじさん

2015年8月31日

29日の土曜日にABC朝日放送出演で、どうなる中国・上海株について20分ほど話したのが、YOU TUBEで見られるよ。

https://www.youtube.com/watch?v=1MMEA_BkEmk&feature=youtu.be

これまで4回、ギリシャについて登場したけど、今回は中国。というわけで、冒頭、東野MCから「ギリシャのおじさん」と言われた(笑)。

いつもながら、出演者たちが、ワイワイ突っ込み、結局、予定の7割程度までしか行かず。でも、エンジョイできた。そのあとの、法善寺でのランチも♪

それにしても、この種のエンタメ系情報番組は大阪ならでは。でも、関東で放映したら、かなり受けると確信している。まったくのおふざけではなく、情報の核心は、とにかく語れるし、持ち時間も地上波で20分程度あるし。全部で90分番組だから。まぁ、今回は、大阪ゆえ維新の分党の話題が冒頭にきて、持ち時間が削除されたけど、それは、報道番組にはつきもの。

写真は李克強指数が大本営発表の7%GDPより、遥かに下落していることの説明中。この指数は、現首相が就任前に自ら考案した指数で、電力消費量・鉄道運送量、銀行貸し出し残高を指数化しているので、より実態に近いと言われる。

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更に、この李首相が、今回の株価対策失敗の責任取らされるかも、という話題も。首相交代も視野。習主席としてはスケープゴートが必要なのだろうね。

さて、その続きで以下本文。

9月3日の軍事パレードまでは、中国当局も上海株を強力にサポートすると思われたが、本日の上海株価指数は3日ぶりに反落している。

世界陸上、軍事パレードまで、北京の青空は続きそうだが、株価は晴れないようだ。

中国指導部も、車両通行は規制できても、相場まで支配することはできないとみえる。

明日発表される、国家統計局の中国製造業PMI発表に対する警戒感も強い。そもそも8月21日に発表された民間機関による製造業PMI速報値の大幅悪化が、先週の中国発世界株安連鎖の直接的キッカケであったことが市場のトラウマになっている。

明日からいよいよ9月相場入り。

先週世界を震撼させた同時株安は、米利上げ観測と上海株下落の共振が引き起こす市場騒乱劇の予告編にすぎない。

それでも、予告編を見られただけでも、本編で何が起きるのか、おおよその見当はついたのではあるまいか。

上海株指数が3000ポイントの大台を再び割り込み、2000ポイント台の前半まで急落しても不思議ではない。

ドル円は予告編では瞬間的に116円まで円高に振れた。

本編では瞬間的に110円程度は覚悟せねばなるまい。アルゴリズムの高速度取引が席巻する市場でのボラティリティーの高さは、アナリストの説明の域を超えるモメンタム(市場の勢い)を醸成する。

日本株は、瞬間的に日経平均1万7000円程度まで下がる事態も絵空事とは言えぬ。万が一そうなれば、恰好の押し目買いの機会となろうが、個人投資家にとってはリスク耐性が試されそうだ。

新興国セクターについては、複数の国の経済が危機的状況に陥る事態が予想される。

週末に開催されたジャクソンホール中央銀行シンポジウム、およびその前後の地区連銀総裁、FRB副議長の発言だけで、既に、市場は振れている。

神経質になった市場では、リスクを取らず、アービトラージ(裁定取引)に徹しているトレーダーが多いので、値動きが荒くなる傾向も無視できない。

金価格も1130ドルから1030ドルのレンジで、どたんばたんと動きそう。

不気味な週明けである。

さて、今週発売の雑誌に色々書いているよ。

週刊エコノミスト巻頭記事は、日米中の株安連鎖、緩和も財政も限界というタイトル。

以下で「続きを読む」をクリックすると全文読めるよ。

コメントは「もっと緩和すればバブルになるが、それでも緩和せざるを得ない。明日がなければ明後日もなかろう。」というような内容になっている。↓

http://www.weekly-economist.com/


それから、日経ヴェリタスのコラム「逸'sOK!」では、「イエレン議長をよぎる悪夢」。

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株価回復まで米利上げは出来まいとの原稿。

そして、一般誌では、週刊現代で日本株について3人専門家座談会。私は、そのなかで、株に最も弱気派みたい。

2015年