豊島逸夫の手帖

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原発再稼働、TPP漂流、日本株の試練

2015年8月11日


「安倍首相抜きのアベノミクスはありうるのか?」


「川内原発再稼働の国民支持率は?」


「TPP漂流で、第三の矢の柱の一つが揺らぐことはないか?」


「戦後70年談話に、お詫びの言葉が入らないと、日中関係が再び悪化しないか?」


「安保法制議論が誘発した安倍政権支持率低下は続くのか。」


「新国立競技場建設の問題点がよく分からない。」


いずれも、欧米機関投資家から発せられた疑問である。


毎年、この季節になると、夏季休暇でアジアを訪問するヘッジファンド・マネージャー一家などが日本に立ち寄る。筆者としては、お好み焼きを囲みながら、ジックリ本音を語れる機会でもある。酷暑の今年は、急遽、気温30度以下のシンガポールへ行く先変更したので、トランジットの成田空港で会うケースもあった。


今年の特徴は、とにかく「日本の政局」に重大な関心を寄せている。

これほどまで、根掘り葉掘り、政治に関して聞かれるのも極めて珍しい。

日本には珍しい長期安定政権を前提に日本株を買い、かつ、買う予定であったヘッジファンド・欧米年金などが、ここにきて慎重な姿勢を見せ始めているのだ。

本欄では、一貫して外国人投資家の日本株買いは持続との見通しを書いてきた。しかし7月22日付け「東芝不適切会計処理、海外でも注目」で初めて、その見通しに不透明性が生じつつあることに言及した。その後、発表された投資家別売買動向を見ても、外国人投資家は売り越しに転じている。

現時点では、ギリシャ危機のピークを乗り越えた欧州株がマネーの受け皿になっている。

日本人投資家中心で日本株をどこまで上げられるか。

欧米のファンドが夏季休暇から復帰したとき、その真価が問われよう。

「サヨナラ、ニッポン。」

20年来の親日派が分かれ際にウインクしながら呟いた一言が印象に残っている。


さて、金プラチナ価格は急騰。

フィッシャーFRB副議長が「インフレ率が上昇しないと利上げは難しい。」と発言した(ブルームバーグとのインタビュー)ことで、俄かに利上げ後ずれ説が再台頭したことが要因。かくも、金利に敏感なのだ。

テクニカルにはショートカバー・ラリー。

9月利上げを見込んで金を売り込んでいた投機家の一部が、慌てて買い戻しに走った。

このまま上げ続ける局面には、まだなっていない。

尚、昨日の日経夕刊一面に、プラチナ大売れの記事が載っていて、一般紙の後追い取材が数多く来た。

一般の話題になりつつある。


そして、昨晩は、またまた肉500グラム。


2069a.jpg

完全に肉食系に走ってます(笑)。(写真の肉は昨日と違うよ。)

夏休みに旅館に泊まれば高い。それを思えば、これくらいの贅沢でも、一泊二食より、外食するより、ずーーっと安上がり(笑)。

2015年