豊島逸夫の手帖

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雇用統計改善でドル高、金安

2015年3月9日


予想を大幅に上回る米雇用統計を受け、ドル円は一時121円台までドル高・円安進行。一方、NY金価格は1160ドル台まで急落。

結局、円建て金価格は著変なし。


なお、雇用統計を受け、市場では利上げ開始が早まるとの観測が勢いを得ているが、賃金(平均時給)の伸びが鈍いので、まだ、これで、イエレンFRBが利上げ決定との決めてにはならず。市場の見方も真っ二つに割れている。

そして、投資家にとって、最も重要なことは、利上げ開始時期が6月か9月か、ということではない。3ヶ月程度の差が、個人投資家にどれほどの意味があるのか。

それより大切なことは、利上げのカタチである。

FRBが発表するFOMC参加メンバーの金利予測によると、2018年頃までに3.5%から4.25%程度の金利上昇ペースが見込まれる。

ゼロ金利から4%へ、3年かけて引きあげるという、市場まれにみる低水準で長期にわたる利上げのカタチだ。


更に、イエレンFRB議長は、記者会見で、FOMCの利上げ決断は「ミーティングごとに」決めると述べている。これは、FOMC会合ごとに、その月は利上げをするか、するならば、どの程度の利上げ幅か、を決めてゆくことを意味する。

前回の利上げでは、FOMC会合のたびに大筋0.25%刻みで段階的・規則的に引き上げていった。

しかし、今回の利上げは違う。

利上げする月もあれば、しない月もあり、不規則となりそうだ。

かりに規則的に上げるにしても、利上げ幅が0.25%刻みから、例えば0.125%刻みに細かくなる可能性もある。

雇用・住宅指標の出方を見守りつつ、利上げのスピードを調整するという慎重な姿勢が、イエレン発言ににじむ。


さて、今週は、後半にNY出張。ヘッジファンドのラウンド・テーブル(日本風にいうと勉強会みたいな感じかな。)で喋ってきます。やはり、日本株への注目度が高まってきたので、招聘されたわけ。


そして、今日の写真は、お寿司屋で出来たてホヤホヤの、卵焼き。湯気が映らず残念。熱いのをホクホク食べるのいいね~。


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そういえば、スキー場でやっちゃいました。5年ぶりくらいかな、派手に空中一回転で転んだ。別に急斜面ではなく、ただの平地で、完全に油断してた。手袋いじりながら、スケーティング・スタイルで滑っていたら、突然、視界が大きく揺れて、状態が宙に浮いた。そして、走り高跳びの背面飛びの着地みたいな形で、しかも、頭から落下。あ、やっちゃった、むち打ちを覚悟したけれど、幸い、後遺症なし。よく現場を検証したら、50センチくらいの重い湿雪の塊に左のスキーが突っ込み、右のスキーは慣性の法則でそのまま前進。瞬間また裂き状態になり、左スキーのビンディングが外れ、勢いで宙に舞った、という次第。

これから春スキーは雪が重くなるから要注意だな。

2015年