2015年3月25日
最近は、男子禁制セミナーでの講演というかレクチャーの機会が増えています。最近もメディア主催の女性向け経済セミナーで話したときのこと。事前アンケート調査で参加の理由を聞いたところ、65%の回答者が同じ単語を書き入れてきました。
それが「老後」!
参加者の女性平均年齢31歳ですよ。
その人たちが、30年後の老後のことを、もう心配して、あれこれ考え始めている、という事実をつきつけられ、あらためて、驚きました。
でも、直接に話を聞けば、無理もないですね。
国は信じられない。会社も信じられない。オトコはもっと信じられない。結婚するにしても、しないにしても、やはり、おカネの問題は重要。
氷河期世代ですから、生まれてこのかたバブルの高揚感を味わったこともないし、良いことはなかった。そして、これから、もっと悪くなるという覚悟はとっくについています。
ですから、老後貧乏というような言葉に敏感に反応するのです。
「危機」とか「自己防衛」という、ちょっとあざとい表現にもビンビンきてるのが分かります。
セミナー会場の雰囲気は、超真面目。
シニア向けだと「逃げ切った」という安心感から、なにか、てっとり早く儲かる裏ワザはないか、という期待感がムンムンで、会場全体に加齢臭が渦巻く(笑)感じなのですが、氷河期世代たちは、はなっから、そんなウマいハナシなどかえって怪しいと割り切っています。
それより、自分たちの最大の武器は、「時間」。
老後まで30年あるとして、まだじっくり勉強して考える時間があるのです。
とはいえ、もう今のうちから、準備しておかねば、という切迫感も感じられますね。
特に、最近は、相続の関連で、自宅がちょっとした土地つきの一戸建てだと、相続税の対象になるということで、若い世代なのに、もう相続について考え始めている人たちが増えています。
いずれ、この土地は自分のもの、とちゃっかり考えているわけです。
そこで、金に関する質問でも、相続資産として、どうなのか、ということをよく聞かれるようになりました。
これに対しては、不動産より現物の金のほうが、相続資産として、優れていると自信を持って言えます。
まず、金現物保有には固定資産税がいっさいかからない。これは大きなメリットですよ。土地保有者なら、まず、エエッ、マジ!?と聞き返してきますね。
次は、金なら金貨などで小分けできるので、醜い争い、いわゆる、争族現象が起きにくい。これも、親の立場では、なるほど、と思いますね。
そして、土地と違って、その日に即売却できる。
この点などは、私自身も土地売却に苦労した経験があるので、納得!です。
唯一、不動産のほうが優れているのは、上物として賃貸マンションを築けば、賃貸収入が見込めることでしょうか。これとて、もし地震があったときの建築物破損リスクとか、そもそも、借り手がタイミング良く見つかるか、など不確定な点も無視できません。
と、まぁ、こんな話をすると、しきりにうなずく女性参加者が必ずいますね。
いずれにせよ、氷河期世代の特徴は、冷めているので、金に関しても、てっとりばやく儲かるのか、という質問は滅多に出ません。
さて、今晩9時から日経CNBCニュースコア30分拡大版で30分ほど話します。
番組内容については↓
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