豊島逸夫の手帖

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TPPの光と影

2015年10月6日

昨日紹介した、ABC朝日放送のVW問題解説のyou tubeが、アクセス集中して、パンクしたようで、新たなyou tubeはこちら。↓

https://www.youtube.com/watch?v=JIi7bernXLA


さて、今日の主題は、TPP。

歴史に残る出来事だと思う。

世界のGDPの4割を占める国々が、自由貿易協定創設に合意した。

実際に効果が出るのは5年先、10年先のことだが、少なくとも、出発点に立つことが出来た意義は大きい。

主要国が、財政・金融政策の切り札を出しつくし、頼みは通商政策となっている。

そして、自由貿易政策は、自由化をどれほど進めても、バブルになることはない。

但し、自由化の過程で、比較劣位を持つ産業で働く人たちに痛みが生じる。廃業・失業などだ。そこで、政策的に、職業訓練など新たな企業で働くための政策が必須となる。

そして、人口の移動性の問題も重い。

「故郷離れ難し」の思いがいかに強いか。見知らぬ土地で働くことの抵抗感は極めて強い。経済的には、人口の移動性が高まることが、経済の生産性向上のためには欠かせない。とはいえ、働く人たちの気持ちもないがしろには出来ない。ここが、今後の大きな問題となろう。過渡期の生活を補助するための財政的援助も必要となろう。但し、それが、政治家の予算分捕り合戦に発展するリスクがあるので、チェック機能を入れることも考えねばなるまい。

筆者は、学生時代の専攻が、国際経済学の貿易論だったので、特にTPPのような自由貿易レジームには、強い思い入れがある。

さて、東洋経済今週号「為替ショックが来る」の中で、インタビュー記事が載っている。 見出しは「ヘッジファンドは円安ドル高一直線だ」。

といっても、年内は中国発円高もあるよ、などの話。

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金価格は、利上げ後ずれ観測の中で、ジワリ上げている。

但し、利上げは、いずれ来る。

2015年