2015年6月3日
東証一部上場企業(株)グルメ杵屋が社外取締役に元日経CNBCキャスター江連裕子氏を選任と発表した。6月24日の株主総会で承認されれば、正式に就任の運びだ。
いうまでもなく、コーポレート・ガバナンス・コードの指針に沿った人事の一環といえる。
彼女が日経CNBCを卒業するときに、日経本社20階テレビ局フロアー全員が見守るなかで、花束贈呈役となった筆者としては、感慨深い。
テレビキャスター時代にインタビューした「社長」の数は1000人を超え、丸の内・大手町界隈に広範な人脈を持つ。学歴も専修大学大学院経済学研究科修了。「Dual Income二元的所得税、北欧諸国の租税政策」の修士論文で経済学修士号を取得している。
日経CNBC時代には、ニューヨーク、北京、シンガポール、ドバイなど世界の主要「金」市場の現地取材を一緒にやったので、グローバル・マーケットの内部を見てきている。その過程で、著名投資家ジム・ロジャーズ氏と知り合い、「Jim」「Yuko」とファーストネームで呼び合うほど彼の信頼を得た。
昨年の「充電期間のサバティカル休暇中」には、ロンドンやニューヨーク・サンフランシスコに単身滞在。語学研修に励むなど努力家の女性だ。
いっぽう、グルメ杵屋は、関西空港での機内食ケータリングや、アジア部門での海外展開など経営多角化を進めている。
「美人キャスターの社外取締役」から連想される単なる話題性を超えた抜擢人事といえよう。
一般論として、今やアベノミクスの目玉分野となった「女性登用」の数値化には、賛否両論ある。
これだけ男性優位の時代が長く続いた国ゆえ、まずは数値化で女性を入れ込む措置は理解できる。
とはいえ、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にとの目標は、たしかに大胆な設定だ。
単なる数値化だけでは不十分。同時に、妊娠出産育児配偶者への配慮など、能力ある女性が「実力」を発揮しつづけられるような環境整備を急ぐべきだろう。ここを曖昧にした登用数値化で、真の女性労働力活用は望めぬ。
理想的なリクルート手段としては、特殊な例ではあるが「ブラインドテスト」による面接の事例が参考になる。
アメリカのオーケストラでは男性音楽家ばかりが採用されていたので、ブラインドテストしたところ、女性の採用が増えたのだ。演奏能力という本質的な部分を判断基準に据え、性別を判断基準から排除すると、今より女性が増えることを示唆している。
従って、女性登用の数値化は、あくまで本来あるべき人材採用の「入口戦略」として考慮されるべき事であろう。
数値化反対派は「能力のない女性が登用されてしまう。」と言う。しかし、「能力のない男性が登用されてしまう。」ことが実態ではないか。
筆者は、女性登用の数値化に、総論賛成だが、「期限付き」だ。
5~10年くらいで、パッと実現させ、その後は通常競争モードに戻すべきと考える。
自分自身のキャリア体験でも、女性幹部を多く採用したのだが、その理由は、とにかく組織トップとして仕事に追われ、「優秀な部下を 持てば多少は余裕ができる。」との発想が本音だった。極度の「御用繁多」状態に置かれ、必死に各ポジションに最適な人材を確保するという過程は、まさにブラインドテストに似ていた。当該人材の能力以外には関心がなかったのだから。
そして、採用後の人事は、外資系の実力主義に徹した。
最終的には性別を超えた競争こそが「通常競争モード」なのだ。
写真は、シンガポールのジムロジャーズ邸にて、彼の奥さんと子供たちと。
それから、マイナビの「25歳のあなたへ」豊島逸夫事務所連載コラムに、副代表治部れんげが書きました。↓
親はあなたのロールモデルか、それとも反面教師か
http://news.mynavi.jp/series/toshima/013/
それからUstreamで無料視聴昨日から二本。
金融闘論 米利上げ後の世界 無料視聴開始
http://channel.nikkei.co.jp/businessn/150602kinyu/
ギリシャ現地ロケ番組 無料視聴開始
http://channel.nikkei.co.jp/businessn/150601kintoku/
それから、関西地区の皆さん。
6日土曜日朝9時からの朝日放送「正義のミカタ」に生出演します。テーマはギリシャ。地上波で経済ネタは珍しい。ぶっつけ本番で、吉本のノリかな(笑)。
実は、6月6日は美山のアユ解禁日なので、祇園のらく山に寄って、大将みずから釣ったアユを食するのが今回の最大のモチベーション!
出演後の昼は、天王寺のたこやき「やまちゃん」に行って、それから法善寺の夫婦善哉食べて。
まったく、我ながら、食べ物に釣られるのが最大のウィークポイントやな。。。。
最後に、今日の日経朝刊にはマーケット面に円建て金価格高騰で商売繁盛の記事。商品面にはプラチナが安いという解説記事あり。