2018年5月17日
日銀の、それも発券局の職員が2017年11月頃から2018年4月まで記念金貨38枚、375万円相当を盗んだという一件。
なんともお粗末な話だ。
金融機関から日銀に集まった記念貨幣を調べ、袋に入れる作業中に抜き取ったという。
日銀では監視カメラを設置して作業は二人で行っていたが、どうやらカタチだけの事であったようだ。
おそらく昭和天皇御在位60年記念金貨(通称10万円金貨)だと思われる。この記念金貨は中東産の偽物が流通して大騒動になった。呪われた金貨とでも言えようか。そもそも「ミスター円」こと榊原氏が理財局に居た頃に発案した記念金貨だったが、金の含有量の価値を大幅に上回る10万円という額面設定が裏目に出た。純金を使っても10万円の額面なら偽物業者は充分に儲かるからだ。まさか純金を使った偽物が流通するとは想定していなかった面もある。鑑定の目利きも見逃してしまった。痛恨の事例ともなった。
日銀にとっても痛恨の内部窃盗事件。
内部管理も性善説から性悪説に移行せねばなるまい。
通貨の信頼・信用に関わることだ。