豊島逸夫の手帖

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中銀もファンドも出口模索

2018年1月17日


ECB理事会を来週に控え、量的緩和縮小・終了を見込んでいた市場が「やはり緩和継続」の報道に反応するようになった。ユーロ買いに一服感が出始めている。代わって昨晩は、NY株乱調によりVIX(恐怖指数)が14%程度急騰してリスクオフの円買いが生じた。日本時間午前3時頃、NYダウが26000の大台突破後急落したことで、円相場が110.80台から110.30台まで急騰したのだ。日銀出口観測による円高局面に新たな要因が加わった。


一方、NYのヘッジファンドも、そろり出口模索の様相だ。

年初から個人投資家マネーが市場に本格参入を示すデータが出回ると、彼らは「一相場終わりか」と色めき立つ。「今頃ノコノコ出てきて株を買いたいなら、喜んでお売りしますよ」という本音が透ける。

売買データの一例としては、米CNBCが「1月第1週、米国の株式ファンドに記録的マネー流入」と報じている。総額240億ドル。過去6位の規模との説明。国別データが興味深い。米国株64億ドル、日本株32億ドル、欧州株22億ドル、新興国株43億ドル。新興国株は過去最大規模との説明。米国株に割高感を感じて日本株などに分散運用する傾向が読み取れる。このデータは米国人個人投資家の市場参入が顕著になったことも示している。そこでプロはそろそろ落ち着かなくなってくるのだ。これは筆者も感じるトレーダーの習性であろう。


一方、ヘッジファンドも注目したデータが2017年日本株売買関連統計。

日銀株ETF買いが5兆9033億円、騒がれた外国人投資家の日本株買い越し額が7532億円。日銀は買いっぱなしゆえ、ストックとして根雪の如く積み上がる。その総額は24兆円規模に達した。対して、ファンド中心の外国人投資家は売買回転が速いので、通年で見ると日銀の買いの12%程度に過ぎない。短期的に市場を動かすが所謂ゼロサムゲームだ。根雪に対して、新雪ドカ雪とでも言えようか。表層雪崩が起こりやすい。


このデータを見て、ヘッジファンドは日本株売買に自信を深める。下値は日銀が買い支えてくれる。短期的には外国人売買比率が7割を超すと言われる市場ゆえ、自分たちで動かせるとの読みだ。

年初から始まった海外勢による日本株買いの「出口」も意識する必要がありそうだ。


金もドル安が進んだのにやや下げて引けた。これまでドル安には敏感に反応して上げていたのに昨晩は鈍感な感じ。しかも株価頭打ちでリスクオフなのに。潮目に変化。


そして今日の写真は、昨晩の池水「先輩」(笑)と鮨。


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以前本欄にも書いた「誠鮨」にて。亀ちゃんの鴨鍋の時と同じく、今回もふざけて「先輩」と呟いたが、疑念の反応なし~~。まぁツイッターのフォロワーは株とか外為中心なので、金業界人のことには疎いのだよね。そういうわけでツイッターでは亀井老師、池水老師と呼ぶことにしまする。

その誠鮨で特に小肌が旨かった。この写真の小肌、48時間熟成と72時間熟成と二種類。若い感じと、まったりした感じが違うね~。どちらも良さがある。


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2018年