豊島逸夫の手帖

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相場大変動の教訓

2018年11月1日

今週月曜日にはNYダウ平均の日中の変動幅が900ドルを超すような乱高下を演じ、VIXも24から28まで急騰する事態となった。あれがセリングクライマックス(売りのピーク)だったのだろうか。その後NY株価は二日連続で急上昇した。ダウ平均の大変動が生じがちなNY時間「魔の午後2時」にも動じず「横綱相撲」の如き上げである。それに連れ金価格は1210ドル台まで急落中。ドル高株高金安の典型だ。

それゆえ注目は震源地のNY株価。今週のトリには雇用統計、そして今日NY引け後にはアップルの決算を控える。

さすがにこれで「株価底打ち」と断じることは尚早であろう。

この上げを信じて良いのか?日米個人投資家も戸惑う。

VIXがまだ20以上の警戒水域にあることが市場に残る不安感を映す。

そもそもこの二日連続株価大連騰の実態は何なのか。

まずポートフォリオのリバランスが挙げられる。

株価急落により運用配分で株の持ち高が急減したので、期末を控え株への配分比率を元に戻す動きだ。

次に中間選挙というビッグイベントを控えた米短期投機筋の「身辺整理」。株価指数をショート(売り持ち)してきたヘッジファンドが取りあえずポジションの巻き戻しに走った。

中間選挙終了後に新たな相場が形成されると読むべきだろう。

米中貿易戦争の「実害」ともいえる決算やマクロ経済指標悪化の部分を織り込みつつ、完全雇用に近い失業率を示し、過熱も懸念されるほどの年率3.5%成長米国経済の実力を映す株価の水準が模索されよう。

VIXはひとたび発作を起こすと数週間は手が付けられない地合いに激変する。今年も2月と10月に二回起こった。二度あることは三度ある。

AI主導の株式、そして金市場が避けて通れぬ関門だ。値動きが人間の手を離れ制御不能の状況に陥っても、動じぬリスク耐性を身に付けることは至難の業だが、とにかく「市場のしゃっくり」と割り切る必要があろう。


金の最近72時間グラフ(kitco)を添付した。徐々に水準が切り下がっている。

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こういう時は相場を忘れておいしいものを食べるのがなにより。

写真は自由が丘マガーリで、旬のイタリア直送ポルチーニ茸のリゾットと、シェフ(たかさん)がサーブしているポルチーニのオムレツ。これがシンプルなれど絶品。こういう基礎的な料理にこそ料理人の本当の実力が出るもの。寿司で言えばこはだの握りかな。なお今年のイタリアは茸不作らしく輸入も確保が難しい。逆に日本では多雨で茸豊作なのにね。

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昨日は自由が丘から東横線急行で10分の渋谷にハロウィーンで人が流れていったらしく自由が丘近辺は空いていた。

 

 

 

 

2018年