豊島逸夫の手帖

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米国債売り加速、ドル高定着へ

2018年10月4日

米10年債利回りの3%台は持続するか。

今年に入り3%を突破しても一過性に終わる事例が繰り返されてきた。

それゆえ昨晩、一気に3.18%台と7年振りの高水準に急騰したことで、市場には3%台定着との見方が急速に広がってきた。

外為市場ではドル高円安が加速中だ。

米国株式市場では金利上昇のスピードが速すぎとの警戒感も根強いが、日本株には一段高の追い風となる。

一方、新興国通貨には厳しい状況が続く。

世界のマネーフローを見ると、米国株にはおっかなびっくりのマネー流入。新興国株は回避。その結果、昨晩はNY市場で日本株浮上を見込む発言が目立った。イタリア・リスクが後退した欧州株とマネー受け皿の座を競っている。

債券市場では米国長短金利格差が拡大したことが注目される。米10年債と2年債の利回り格差が一時は20ベーシスを割り込んでいたが、今や30ベーシスを超えてきた。逆イールドのリスクは低下しつつある。景気悪化の前兆とされる現象が後退したことで市場の心理が改善された意味は大きい。

昨晩は特にISMサービス業が過去最高水準まで上昇したことが金利上昇のきっかけとなったのだが、イタリア財政不安リスクが小康状態になったことも無視できない要因だ。

パウエルFRB議長が予定通り利上げを粛々と継続する姿勢を講演で明確に示したことも、米国経済好調継続の裏付けとして重視されている。

敢えてリスクを挙げるとすれば、長期化の様相を強める米中貿易戦争に関する想定外の展開の可能性だろう。

日米通商交渉も「物品貿易交渉」と位置付けられ、為替条項回避と見られるが、中間選挙直前にスキャンダル続きのトランプ大統領が思わぬ円安牽制発言に及ぶケースも一応想定せねばなるまい。115円に接近すると「警戒水域」入りである。

ドル高でNY金は再び頭を打たれ1200ドル割れ。小動きが続く。

今日の写真は私が最近はまっている薬膳茶。

会津人参、柿の葉、スギナ、サルノコシカケ、赤シソ、ハト麦などを自ら砕いて粉状にして熱湯かけて3分蒸す。健康にも美容にも良いよ(笑)。

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2018年