豊島逸夫の手帖

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米議会「ネジレ」の正体

2018年11月8日


中間選挙の結果を受け「とにかくビッグイベントが終わった」との安堵感からダウ平均は545ドルもの急騰を演じた。VIX指数も警戒水域の20台から一気に17台にまで急落した。まさに「リリーフ・ラリー(安心相場)」。
しかし、NY市場でこの上げ幅をまともに受け止める人は少数派だ。リリーフ・ラリーにしては、545ドル超急騰はやり過ぎとの見方が多い。スピード違反との声もある。
特に、中間選挙を終えてトランプ大統領の激しい喧嘩腰の記者会見、と言うより記者対決の如き中継画像を見せつけられ、市場は改めて「ネジレ」の実態を思い知った感がある。


ネジレ状態について「戦争モードで闘う。」と語った。民主党がトランプ氏個人納税資料提出を求める動きについての質問が飛んだ時だ。
特に市場が懸念するのは、実質的に辞任に追い込まれたセッションズ司法長官の事例。
まず、後任とされるホワイテカー司法長官首席補佐官は、過去に「トランプ氏個人の資産を調べることはいかがなものか。」との意見を記している。
更に、ローゼンスタイン司法副長官も更迭するのではないか。あるいはロシアゲート捜査チームを率いるモラー特別検察官をも罷免する可能性さえ危惧される。
かと思えば、追加的中間層向け減税案については、民主党と「なんらかの調整」を行う可能性も示唆している。市場が描くシナリオは「法人税増税、所得税減税」の妥協案だ。


そして米中貿易戦争。
対中国には超党派の強硬姿勢で臨むことになろう。そもそも中国叩きは民主党のお家芸だ。共和党議員の一部より民主党議員の方が中国には厳しいとも指摘される。
この問題の長期化は必至だ。ブエノスアイレスG20で予定される、トランプ・習近平直接会談で新たな展開が出るとは考えにくい。特に中国の外国企業に対する技術移転強制問題は年単位のノロノロ運転となろう。日程を決めて進めたNAFTA交渉とは異なる。


マーケットは「暗雲晴れず」の状況が長引き、株式相場の頭も重くなりがちだ。金価格は添付グラフのようにこの3日間ほぼ同じような値動きで、やや膠着感。
投票日から一夜明け、市場はほろ苦い「夜明けのコーヒー」を味わっている。


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今日の写真は札幌市街の見事な紅葉。


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そして、六本木虎屋で季節の栗粉餅と抹茶で打ち合わせ。御用繁多の中、ホッとするひととき~~。


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そろそろ新年号とか2019年見通しとか、一年経つの早い、やばい~~(笑)。

2018年