2018年12月3日
米中貿易戦争が「一時停戦」となり90日先送りされたことで、来年3月の米利上げ見送りの可能性が注目される。
90日後と言えば中国全人代開催時期に近い。
習近平政権も国内向けに弱腰と見られるような姿勢は見せられない。
特に「中国製造2025」は全人代でも特に強調される議題だ。ここは中国が断固譲れない。一方、ハイテク覇権争奪戦の最中、米国もハイテク産業への巨額補助金は断固容認できない。
今回は敢えて触れずに先送りされたこの案件が3月に顕在化するは必至だ。
米ヘッジファンドなどは3月の米中株価売り攻勢を既に意識していることを彼らとの会話で感じている。
なお前回本欄で、利上げについてパウエル講演を市場が誤解している可能性に言及したが、週末のフィナンシャルタイムズ社説でも同様の指摘があり、市場では解釈修正の動きが顕在化しそうだ。
パウエルFRB議長が10月には「中立金利から程遠い。」と語ったが、先週ニューヨーク・エコノミック・クラブでの講演では「中立金利に近い。」と発言したことで市場が混乱した。
しかしFRBが想定する中立金利のレンジは2.5%から3.5%である。その平均値の3%からは現在の政策金利は遠いが、下限の2.5%には近い。従ってパウエル議長の見解は変わってない。利上げ決断はあくまでデータ次第ということだ。
今週はパウエル議長の議会証言が予定されている。米中会談を受けて如何に語るか。市場の注目度は高まる。
米中会談を挟んで動いているのは株価だけ。ドルも債券も、そして金にも著変見られず。
写真は紅葉の京都ゴルフ倶楽部上賀茂コース。戦後駐留軍が作ったという京都洛北のゴルフコース。市内から車で15分ほど。便利なのでお気に入り。この秋の台風で多くの大木が文字通り根こそぎ倒され改めて風の威力にビックリ~~。