豊島逸夫の手帖

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雇用統計吹き飛ばしたバフェット氏発言

2018年5月7日

連休明け今日もNYから。

NY市場は金曜日に発表された雇用統計の解釈に戸惑っていた。

米4月の雇用者増加数16.4万人は事前予測を下回った。しかし、失業率3.9%と完全雇用に近い経済サイクルの段階では充分な雇用増とも見做される。平均時給の伸び率が前年同月比2.6%増という数字も賃金の伸び悩みと解釈される。しかし、今回の数字がFRBの利上げ回数を左右するほどの振れではない。それゆえ発表直後の米国株式市場は不透明感を嫌いダラダラと下げていた。

そこに飛び込んだのがバフェット氏のアップル株買い増し発言。それまで前日比マイナス圏に沈んでいたダウ平均が一気に200ドル以上反発した。

テレビの生インタビューでの発言で1~3月期にアップル株を7千5百万株買い増したことを認めたのだ。これでバフェット氏保有のアップル株保有額は運用ポートフォリオの1/4ほどになり時価増額は4兆円相当を超える。同社株価は一気に過去最高値まで急騰した。

時あたかもバフェット・ファンが集結して、投資世界のウッドストックとも言われるバークシャー・ハサウェイ年次総会が開催中。

「iPhoneXの出荷不振など四半期業績より長期の視点で投資している。下がったら買えばいい。」と語り「オマハの賢人」健在ぶりを市場に印象付けた。

対象的だったのがテスラ社創業社長マスク氏だ。先週の決算発表後のアナリスト・ミーティングで、アナリストへの「馬鹿呼ばわり」発言に及び、市場の顰蹙を買い同社株価が急落していた。四半期業績確認のための仔細な質問を浴び気持ちが切れたようだ。長期スタンスの経営感覚を強調していた。とは言え、言い過ぎたと感じたのか。その後ツイッターで一転謝罪コメントを発表。株価も急反発した。

バフェット氏とマスク氏の発言は長期投資の難しさを映す一幕でもあった。

筆者は週末にNYで日本株に関する勉強会でレクチャーしたのだが両氏発言も話題となり、活発な議論となり市場の注目度を体感した。

金価格は雇用統計が明確に良ければ利上げ4回観測が強まり、ドル高円安でNY金1300割れも視野に入ると思われたが、雇用統計が良くも悪くもどちらとも言えず、投機的ドル買いも引っ込み結果的にNY金は1310ドル台まで戻した。1300ドル割れがギリギリ回避されレンジ相場に逆戻りとなっている。NY市場では大手ヘッジファンドが金に食指を動かす傾向が目立つ。これだけ株価の変動(ボラティリティー)が激しいとヘッジで金を仕込んでおくことを考えているわけだ。

さて、その相場変動より激しいのがNY気温変動。先週33度の熱波になったかと思えば今日は14度で寒い!先週はNYがハワイのホノルルより暑い!と話題になったのだが。

私は日本の連休に関係なくオープンしているNY市場にどっぷり浸かっていたよ。本意ではないが意に反しての展開(苦笑)で働いてしまった~~。

マーケットが激動すると肉食系になるので、連夜NYステーキ名店巡りの日々だよ。野菜もタップリ摂っているけどね。ガリガリの痩せ型だが、今回は長めのNY出張で3キロ体重が増えたよ。但し増えたのは筋肉ではなく脂肪である。やばい(-_-;)

NYではロサンゼルス・エンゼルス戦が中継されないので大谷選手の活躍を見られず残念。マー君を見にヤンキースタジアムに行こうと思ったが先発ローテーションの日程が合わず断念。

今週は引き続き仕事でNYステイ。

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2018年