豊島逸夫の手帖

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フェイスブック危機

2018年11月20日

最初は「人類皆お友達になろう」という「仲良しクラブ」の発想だった。

友達申請して許諾して「私は誰」、「今何処にいる」、「何をしている」、「何が好き」、「家族は」などなど個人情報を共有する場を提供する「胴元」みたいな立場がフェイスブックの始まりだった。

それが今や22億人の会員を抱える巨大クラブ。膨大な個人情報にアクセスできる。それを利用して広告活動など商売もできる。

こうなると当然、情報管理者としての社会的責任も問われるようになる。

更に外部からは悪意の輩が不正アクセスで、例えば選挙運動に利用するなど様々な事例も発生する。

しかしフェイスブックはこの社会的責任を果たしていたのか疑問視されている。

創始者のザッカーバーグCEO(34歳男性)とシェリル・サンドバーグCOO(49歳女性)のコンビがロシアの米大統領選挙介入にフェイスブックを利用したという事態に、対応が後手後手に回ったとの暴露記事がNYタイムズ、ウォールストリートジャーナルに赤裸々に書かれた。NYタイムズは50人の関係者インタビューから構成したという。

シェリル・サンドバーグ女史と言えば、著書「LEAN IN」が日本でもベストセラーになり今や働く女性のオピニオンリーダー的存在だ。

その彼女が社内会議でザッカーバーグCEOからCOOとしての監督責任を追及され二人が対決したという場。内紛にも発展しかねなかった状況。いわくつきのPR会社を雇って、かなり危ないロビー活動をワシントンで展開したという事例。ついには議会に召喚され二人が証言をする騒動にまで発展した。

そもそもフェイスブック疲れとまで言われるほど飽和的状況であった。

反省機運が高まりフェイスブックには逆風が強まる。

フェイスブック株も今年は4割近くも下落。昨晩も7%安となった。

決算と一連の不祥事が誘発した下げに歯止めがかからない。

フェイスブックが成長産業から成熟化へ移行している。

時あたかも株式市場ではハイテクIT関連という成長株が相場を牽引する時代が終わりつつある。グーグル、アマゾンなど40%、50%も急騰した株価が調整局面に入ってきた。もはや、これから株式投資で大儲けは期待できない。企業業績もピークは過ぎた。これからは安定的に配当が見込めるような企業の株の銘柄探しとなりそうだ。

世の中が「守り」に入ると底値圏にある金の見直し機運も来年は高まりそうだ。

そして今日の写真はミッドタウンのケーキで一息。ふぅ。。。。

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2018年