豊島逸夫の手帖

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中央銀行会合ウィーク

2018年6月15日

「改めて強調したい。量的緩和政策が消える訳ではない。将来必要な時は使い得る通常の政策手段だ。」

ECB理事会後の記者会見でドラギ総裁はこう語った。

国債の新規購入は年末で終了するが、満期を迎える保有国債の償還額は再投資するので実質的な量的緩和状態は変わらない。

更に利上げは「少なくとも」2019年夏以降とも語った。

「夏とは9月のECB理事会も含むと理解してよろしいか?」

スペインのジャーナリストからの質問には「9月と特定化するなら9月と明言したであろう。」と答えた。

ドラギ総裁の任期は2019年10月末に切れる。

次期総裁として有力視されるのは歴史的にタカ派色の強いドイツ連銀のバイトマン総裁だ。

任期切れ前に金融正常化の道筋は自らの手でつけておきたいとの本音も透ける。中央銀行家の矜持とも言えようか。

市場は「少なくとも」来年夏までは有事対応の非伝統的金融政策は実質的に継続と読む。

対ドルのユーロ先安感は強まる。

そして「主要3中銀会合ウィーク」のトリは日銀だ。

歴史的な米朝首脳会談には反応薄だった市場も日米欧中銀の出口に向かうレースには注目する。本日夕方、日銀金融政策決定会合後の記者会見を見て本稿を執筆しているが、今回も黒田総裁は出口に関して「音なし」であった。

FRBは今年4回の利上げに動く。ECBは量的緩和停止への過渡期。レースの「ラスト・ランナー」とされる日銀との差は開くばかりだ。

通貨投機市場で暫く鳴りを潜めていたヘッジファンドもドル買い・円売りポジション醸成に興味を示す。ユーロ売りは「混み合ってきた」が円売りは「未だ手つかず」との認識だ。

「ポストアベの議論より、当面はミスタークロダの発言のニュアンスに興味がある。」と言って憚らない。

円への着眼点も「安全通貨」から「金融政策のベクトルの違い」にシフトしつつある。

地政学的要因の影響は一過性。金利要因が中期的トレンドを形成する。トランプリスク慣れした市場は冷静に金融政策の方向性を再吟味し始めた。

さて今日の旨い物写真は、京都の夏に鱧料理と共に供される「魚そうめん」。白身魚のすり身をそうめん状にしたもの。涼味だね。

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そしてあなご鮨。海苔の風味が深い@味の「らく山」。

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そして大阪からの帰り、出来たてフワフワのチーズケーキ。思わず衝動買い(笑)。新幹線内でいきなりホールをパクついた。香しい匂い。車内で豚まんの匂いよりいいよね~~。

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2018年