豊島逸夫の手帖

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イエレン氏、2020年への警鐘

2018年10月31日

今や自由の身になった前FRB議長の発言には市場も注目する。特に退任後1年が「賞味期限内」とされる。

昨日はイエレン氏がこれまでより踏み込んだ発言で話題となった。

「経済過熱リスクと利上げで締め過ぎリスクが2020年頃に顕在化することを懸念している。」

「米国財政赤字が大きな問題。維持できないペースで膨らんでいる。増税、年金カットが必要だ。」

「関税引き上げは企業の設備投資に負の影響を与える。但し国内物価上昇によるインフレ率への影響については軽微に留まる。」

2020年と言えば市場で米国経済減速の可能性が議論されている時期でもある。

一方、市場ではFRBの利上げ慎重論が台頭してきた。今年12月か来年3月か、どちらかの利上げは「一回休み」との見解だ。そもそもNY株価の異常なボラティリティー(価格変動)は金利上昇がキッカケで生じた。世界を見渡せば中国・欧州・中東とリスクだらけだ。ここで追い討ちをかけるように利上げを予定どおり実行すれば世界的株安が増幅されかねない。

昨日のNY株価は大きな乱高下なく、ダウ平均も終日上昇基調を保ち431ドル上昇して引けた。時間外に発表されたフェイスブック決算はアマゾン同様に事前予測には届かず瞬間的に同社株価は急落したが、気を取り直したかのように瞬時に急反騰を見せた。決算のあら探しに走っていた投機筋が一転素直になった。自分たちのポジション次第で「いいとこ取り」する姿勢に市場は疑心暗鬼だ。

昨日の市場で最大の関心事はドルインデックスが97の大台を突破したことだろう。95から96のレンジでもみ合っていたので、100の大台に向けて上放れを連想させる動きだ。このドル高はユーロ発。7~9月期のユーロ圏GDPが0.2%増に留まり事前予測を下回った。メルケル失脚、ドイツ国内ポピュリスト政党台頭を受け、EUも英国、イタリアに対して「見せしめ」的に態度を硬化せざるを得ない。EUとイタリアとの全面対決の構図はユーロの信用リスクを増大させる。ギリシャ危機より深刻との見方さえ出始める。ギリシャショックの時には元気なドイツがいて、難民問題も深刻化していなかった。

このユーロ発ドル高の「おすそ分け」で円安が進行。113円台に動きになっている。

このドル高の煽りを受けてNY金は1220ドルまで急落中。レンジの下値を試す。

そして人民元は対ドルで6.96台と、いよいよ7の大台に迫ってきた。

上海株は案の定、当局が新たな救いの手を差し伸べてきた。自社株買いと保険会社からの投資を促し市場の流動性を増やす内容だ。更に銀行に担保として預託されている株式を銀行が売却せざるを得ない事例が続出しており、その銀行売りの受け皿として新たなファンドを組成するとのことだ。壮大なモラルハザードが続く。

そして今日の旨いもの写真は餃子。

先週土曜日の日経プラスワンの餃子ランキングで、なんとなんと私のご贔屓の「ニーハオ」が第一位に!!蒲田大森地区は餃子で有名店が多い。ニーハオ、歓迎、そして大連。中国人経営でどれも甲乙つけ難い。

写真は話題の羽根つき焼き餃子。

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そして水餃子と蒸し餃子。

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私は蒸しが好みだけどね。ニンニクを使わず何と言っても皮がモチモチでアルデンテ。よそで餃子を食べる気がしないよ。一皿300円、400円とか500円程度。私は餃子だけの夕食もあるよ。蒸し餃子や水餃子はスイスイお腹に入るので夕食が15分で終わってしまうけど(笑)。

 

2018年