豊島逸夫の手帖

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謎の円急落、NY金も急落

2018年3月29日


円相場が日本時間昨日夕刻の105.60台からNY時間には107円台に迫る急落を演じた。ほぼ一貫して円売りが続いた形だ。

ドル金利は伸び悩み、VIX(恐怖指数)は23台まで上昇しているので金利差・リスクオンが理由とは説明できない。NYのアナリストたちも説明に窮して「ミステリアスな円安」と当惑気味だ。


イースター休暇前の通貨投機筋によるドル売りポジション手仕舞いというところが「無難な後講釈」とされる。


この煽りを受けた金価格は1345ドルから1325ドルまで急落。1350ドルを突破したところで頭を叩かれていたが、昨晩NY市場で一気に下がった。原油もドル高で急落している。コモディティーにドル高は天敵だ。


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一方、日本株には朗報だがマーケットは「信じられない」「うっかり乗ってハシゴを外されるのでは」と未だ疑心暗鬼だ。


このような市況の法則に反する動きが相場は生き物と言われる所以だろう。それにしても最近は説明できない動きが目立つ。金融政策が超緩和から引き締めへ方向転換する時期で、市場の神経過敏を映す現象とも言えよう。


いずれにせよ、円高⇒株安⇒円高加速⇒株安加速の負の連鎖に短期的にせよ歯止めがかかったことで、イースター明けに投機筋がドル売り円買いを仕掛けにくくなった可能性もある。


まだ円先高感が強いが、潮目が変わる兆しなのか注目される。


なお、市場ではLIBORじり高現象とイールドカーブのフラット化が不安視されている。

LIBOR上昇は金融市場にとって「異音」だ。銀行の資金調達コストが上がることは、資金需給がタイトになっていることを示す。為替ヘッジコストも上昇する。

イールドカーブは年内に長短逆転さえ可能性として語られる。短期金利はFRBが上げるが長期金利はマーケットで上がらない。景気後退の前兆とされるので気になる現象だ。


2018年