2018年8月29日
今日は珍しいセミナーをやってきましたよ。相手は就活中の学生。新聞社の希望で、私の話を聞いて模擬的に記事を作成して紙面を作るという企画です。
でも金と言ってもピンと来ないのは当たり前ですよね。丁寧に説明しました。どの程度分かってもらえたか。それでも金は実物資産だから画像にもなるし、人間臭い素材でもあるのでストーリーとしては面白い記事が書けるかな。
講師としては、世界各地の金市場最前線の写真をふんだんに見せて感覚的に理解してもらおうという目論見でした。中国、インド、中東の現物市場。NYの先物市場。全く異なる二つの市場が併存する実態を分かって欲しいのです。
金価格グラフも短期ではなく1975年からの長期グラフを使用。リーマンショックを境に、それまで300~500ドル程度のレンジだったNY金価格が1000ドル以上に水準を切り上げた過程が明確に把握できます。1900ドルまで急騰した「バブル」の姿も如実に浮かび上がります。説明しながら改めて思いました。結局今は1200ドル前後でポスト・リーマンの需給均衡価格水準を市場は模索していると。それでもリーマン前の3倍にはなります。
次の10年に金価格はどうなるか。
私は中国が鍵になると思います。
思いっきり膨らんだ債務の山。その後始末で上海株・人民元が暴落して世界の市場が混乱するとき、マネーが金市場に乱入するシナリオです。中国の人民も人民元を「通貨の世界の新参者」扱いですからね。中国人の金好きは民族のDNA。理屈抜きと言えます。中国、インド、中東の金選好度の高さは理論で説明はできません。現地で体感すると納得するものなのです。