豊島逸夫の手帖

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日経平均2万円割れあるか

2018年10月25日


株暴落中。日経平均800円超安。NYダウ600ドル超安。逃避マネーの一部は金にも流入中。


昨晩BSテレ東「日経プラス10」に生出演したのだが、番組の最後に最悪シナリオを聞かれたので「日経平均2万円割れ。」と答えた。更に「私はそうなるとは思わないが。」と付け足した。その後、昨晩NY株価は大幅に急落した。筆者は依然そうなるとは思わないが、日経平均2万円が視野に入ってくる展開となっている。


そもそも昨晩は「サウジ異変」がテーマで、前半は本欄に連日書いてきたことを要約して語った。そして後半に「今後の相場動向」のテーマに移行。筆者がNYでヘッジファンドに日本株レクチャーを依頼され議論したときの要点を語った。
「日本株売買する所謂外国人投資家には、ウォール街を離れビルの一角で大型コンピューターを駆使して高速度売買に従事する独立系短期投機筋が多い。ひたすらAIとチャートを武器に売買攻勢を仕掛けてくる。彼らの注目はミスターアベよりミスタークロダだ。特に日銀出口戦略の行方について興味を示す。日本では2020年など未だ先のこととされるが、彼らはFRB、ECBの次はBOJとして切迫感を持ち日銀の出口をフォローしている。特に「25兆円程度に膨らんだ日銀株ETF購入残高をどう処理するのか。」と聞かれる。「この日銀買いにより日経平均は4000円ほどかさ上げされているのではないか。」との意見もあった。そのかさ上げ部分が剥落したら日本株を本格的に買う意欲を見せていた。筆者は日経平均は23000円台が居心地の良い水準だと思うが、短期的には外国人投機的売買により大きく乱高下しよう。


このような市場環境でNYダウは連日乱高下を繰り返しており、昨晩は引けにかけ下げ足を速め608ドルもの急落を演じた。キッカケとなった大きな要因は特に見当たらない。AI発の売りが売りを呼ぶ連鎖現象と言えよう。日本株も中期的に悲観論が増えそうだが、ここは短期投機筋にとって草刈り場となる。先物で売られたものは必ず買い戻される宿命にある。個人投資家にとってはファンダメンタルズの企業業績をじっくり見定める段階であろう。株価急落の背景には通商摩擦、新興国経済不安による世界景気曲がり角の可能性がちらつく。ミクロ、マクロの複眼構造で市場を見ることが欠かせない。

2018年