豊島逸夫の手帖

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原油続落 50ドル攻防

2018年11月26日

3連休中のマーケット関連で最大の出来事は原油先物価格の下げが加速したこと。WTI先物(期近物)で50ドルギリギリの水準だ。1か月前にはサウジ異変で100ドル説も流れたのに今や40ドル説が跋扈(ばっこ)する。どうひっくり返っても需給では説明できない変動幅だ。

方向性として原油価格が下がるのは理解できる。

米国、ロシア、サウジアラビアが日量生産1100万バレル前後で世界最大原油生産国の座を争っている。供給は過剰気味。更に最も気になることは強まる需要減退観測。中国・インドなど新興国の経済が保護主義・ドル高で痛めつけられ、原油消費が鈍化するとの見方だ。2019年世界景気曲がり角を象徴するような成り行きに市場は身構える。

この急落はやはり投機の仕掛け。特にヘッジファンドは原油空売りに走りホクホク。フィナンシャルタイムズにも原油で大儲けしたヘッジファンドの事例が載る。株安で運用成績が芳しくないファンドにとっては「干天の慈雨」と言えようか。

NY金も原油安に連れ、売られた。1220ドル台後半から同前半まで下がっている。

NY株も続落。アップルが売られた理由として日本発「iPhone、日本で値下げ」の報道が挙げられている。値下げせざるを得ないほどに「成熟化」したということだ。

米中貿易戦争関連では、米国が日本・ドイツなど同盟国に中国通信大手ファーウェイの商品を締め出すように勧告しているとの報道が注目された。ファーウェイって私もタブレットで使っているぜ(笑)。国ごとにきめ細かいマーケティング戦略を立てているので日本やドイツ市場ではそう簡単に撤退にはならないが、ブエノスアイレスで予定されている米中トップ会談でトランプ大統領がどのように振舞うのか。市場は注視せざるを得ない。

 さて3連休に私は仙台で日経セミナー。できたて牛タン弁当を帰りの新幹線内でぱくつく。分厚い芯タンは旨いね!さすが牛タンの本場。

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下は先週打ち合わせに使った六本木ミッドタウン虎屋の「季節の生菓子」。本当のリンゴみたいで芸術的。食べるのが惜しいくらい。

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2018年