豊島逸夫の手帖

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デジタル・ゴールド

2018年3月15日

金の現物には流通経路(サプライチェーン)があります。世界の鉱山会社からロンドンなどで仲介役を務める銀行経由で、消費地の貴金属会社や銀行などが小売業者となり、最終的に購入者へ受け渡しされます。そのサプライチェーンを仮想通貨に使われる先進技術=ブロックチェーンを使って、暗号化してデジタル情報にします。金の品位なども含まれます。その暗号情報は改ざんできず、且つ、誰でもアクセスできて分散保管されます。一つ一つの金塊にこの情報がインプットされたチップを付けておけばアプリで読み取れるわけです。

まだ実用化には至っていませんが、現物の金の流通を変える技術となる可能性はあるでしょう。

金の買取り業務なども大幅に簡素化されるかもしれません。

仮想通貨と言うと投機の対象というイメージが強いのですが、仮想通貨に使われるブロックチェーンは画期的なテクノロジーと言えます。例えば食品のトレーサビリティーにも応用できます。既に鹿肉などのジビエの生産流通をブロックチェーンで管理する事例も出てきています。

今後の展開をフォローしてゆきたいと思います。

2018年