豊島逸夫の手帖

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SEC仮想通貨規制、商品から証券へ

2018年3月8日

米国SEC(証券取引委員会)が仮想通貨を「証券」と見なし、取引所も「証券取引所」としてSECへの登録を義務付ける方針を明らかにした。これまでは、ビットコインが米商品先物取引所に上場される過程で米国CFTC(商品先物取引委員会)の管轄下にあったので、これは劇的な変化である。

筆者は商品の「金」をETFとして証券化して米証券取引所に上場する過程に直接関与して、実際にSEC詣でを繰り返した経験がある。SEC側は、特に市場の流動性、値決めに重要な役割を果たすマーケット・メーカーの数や資質を始め細かく問うてきた。分厚い目論見書(プロスぺクタス)も、内容の多くは「ロンドン金市場の売買システム」など金の教科書的な説明による「リスク開示」であった。

今回の仮想通貨規制に当たって、SECは声明文で「オンラインの売買プラットフォームの多くが取引所と名乗り、あたかもSECに登録して規制されているかの誤った印象を与えていることをSECのスタッフは懸念していた。」と述べている。

これまで管轄してきたCFTCは不祥事が発生してからでないと動けなかったが、SECは不祥事発生予防に動くために監督権を持つ。

この発表によりビットコイン価格も下落しているが、長期的に見れば厳しいSECのお墨付きを得ることで機関投資家は参入し易くなり、市場の良質な流動性が増える可能性がある。

事実、金ETFも年金基金などの参入で時価総額が一時はSP500ETFを凌ぐ程に「大化け」した。

仮想通貨の価格乱高下も流動性が増えれば裁定取引が活発になり、割高な取引所では売られ、割安な取引所では買われ、長期的に平準化されよう。但し、現在証券と同じ土俵に立てば、株式・債券・為替市場で顕著な高ボラティリティー現象の洗礼を受けることは避け難い。

仮想通貨が新たな資産クラスとして定着するか否か。正念場である。

なお、SECの動きに刺激されたのか(笑)、日本の金融庁も今日、仮想通貨7社を行政処分、うち2社は業務停止に動いた。今更仮想通貨の制度整備のため研究会設置って、今まで何をやっていたの?

さて、越後湯沢も春みたいな暖かい日になったり、一転、真冬に逆戻りしたり。昨日は、今シーズンでも最も寒いと感じる日だった。普通は山頂でしか見られない樹氷が麓の木々にまで見られた。快晴で寒くて、景色と雪質は最高だったよ。帰路は回転鮨で日本海の海の幸を堪能。余りに旨くて写真を撮るのも忘れた~。午後から東京での仕事もはかどりました。やっぱり働き方改革は、ON・OFFのメリハリが肝要だよ。充実した日々を送っています!

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2018年