豊島逸夫の手帖

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惜敗サッカージャパン、その時金相場は?

2018年7月3日

ゲーム後半にいきなり2-0になった時は日本人として応援しましたね。ツイッターで「乾!!!!!NY相場なんて見ている場合か」とツイートしちゃいましたよ。即「いいね!」マークが並んで、みんな今夜はこんな時間でも起きているんだなと思いました。ベルギーチームも目の色が変わりましたよね。冷静に2点のハンディでいい勝負かとも思いましたけど。日本ゴール前でロブショットみたいな浮き玉がふわりとゴール枠内に入った時はマジかよ!!!そしてアディショナルタイムギリギリで劇的逆転サヨナラみたいな敗北。悔しい、惜しい。ピッチを手で叩いて泣き崩れる日本選手。「2-0で良い夢を見せてもらった、虚脱感、相場見る気なし。」と思わずツイートしました。瞬間ドサッと「いいね!」マークがついて皆で悔しさ共有。

ところが落ち着いたところで金価格を見たら、我々が大騒ぎしている間にNY市場で遂に1230ドル台まで急落していたのです。プラチナも40ドル以上のきつい下げ。800ドル台割れも視野に。パラジウムも1000ドルの大台は遠くなりました。

とにかくドル高。それも対ユーロと対新興国通貨で米ドル高。対円ではさほど動いていません。NY市場では貿易戦争激化懸念で安全性を求めるマネーが米ドルに殺到。安全通貨は円ではなくドルという見解がNY市場では優勢。ここはリスクオフで円高の日本と温度差を感じます。金は蚊帳の外。本来なら買われてしかるべき状況ですが。こういう時トレーダー出身の私は「四の五の言わず、こういう時もあるさ、全て教科書通りにはゆかないのが生きた相場」と割り切ります。また別な展開の日もやってくるよと。メディアは早速、金の輝き失せると月並みな見出し。長期的にはこういう時が後から見ると買場だったという経験も一度や二度ではありません。読者ならご存知のように、私はつい先月日経紙上で下値1230ドルとコメントしていたわけですが、あれは今後3か月予測でした。それがかくも速く現実になるとは想定外ですね。今年正月の年間予測では1175~1335のレンジを提示していました。1200ドル割れは瞬間的に終わるイメージでしたから、1200ドルに接近すると強気派に転向するでしょう。転向する予定です(笑)。地政学的要因より金利要因重視のスタンスは変わらずです。 

2018年