豊島逸夫の手帖

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市場の喧騒と醜聞が続く

2018年3月28日

昨晩のNY市場も大荒れ。日本時間午前3時頃までは、NY株も前日比ダウ平均200ポイント超上昇で持ち直していたのだが、突如ナスダックがスルスルと下げだした。それにズルズル引きずられるようにダウもあっという間に前日比400以上の下落に転じた。全く目が離せないとはこのことか。ボラティリティーが相変わらず異常に高い。VIXも警戒水域とされる20以上に留まったままだ。不安定な地合いなので金は買われるかと思いきや、前日比12ドル安で1340ドル台。1350ドルのレンジ上限はまたもや抜けきれず反落した。

NYの株式市場の下げを牽引したのがFANGと呼ばれるハイテク銘柄。軒並み3%から6%の下落。フェイスブックの個人情報流出により各国がSNS規制を強めることは必至という懸念。自動運転死亡事故の影響が後を引くテスラも8%安。投機筋が空売りを推奨したツイッターが12%安。

特にマクロ的には新規材料もなかったので、筋が悪い株安だ。

なお、債券市場では米10年債利回りが2.8%を割り込み、2.77%まで下落。金利が相変わらず上がらない。

外為市場ではドルインデックスが上昇。しかし、ドル円は円高。

市場全般にちぐはぐな動きが目立つ。

総じて、金融政策が超緩和から引き締めに移行する時期にありがちな、気迷い気分の地合いを映す。

このNY市場を受けた日本市場では日経平均が300円近く下落。日銀の買いに下支えられているので、実勢はもっと低いと思われる。日銀の株ETF買い無かりせば、もっと下がったということ。

そして、大きな材料も出た。

北朝鮮金正恩委員長の電撃北京訪問が正式に確認。習近平国家主席が国賓並みのおもてなし。

中国の国営通信が大々的に伝えた。

北朝鮮としてはトランプ大統領との首脳会談を控え、万が一、決裂した場合を想定して中国との関係を修復する意図が透ける。ヘッジをかけた感じか。

中国はここのところ、北朝鮮、韓国、米国主導で話が進んでいるので、存在感を示しておきたかったのだろう。結果的に、政権が森友問題に揺れた日本が益々置き去り。

その森友問題だが、やはりという展開。仲間内で、佐川氏が国会証言で何回「刑事訴追の恐れあり、証言差し控える。」を連発するか当てっこしていた。結果は50回。ニアピン賞は53回だったね。私は43回で甘かった(笑)。

一方、トランプ大統領もスキャンダルの渦中に。

某女優本人が週末の人気テレビ番組60Minutesでスキャンダルを暴露。大統領選挙前に1300万円の示談金が提示されたとか、トランプ大統領の弁護士に脅されたとかベラベラ。全米で2100万人の視聴者が釘付けになったほど、話題になっている。佐川氏証言中継は何人の日本人が釘付けになったのかね~~。私は前述の展開になることが見え見えだったので、全く見なかったよ。と言うか、それほど暇じゃない(笑)。

安倍政権の支持率は森友問題スキャンダルで急落したが、トランプ大統領支持率は既に下がっていたので引き続き低位を漂流。だからこそ、なけなしの支持層を引き付けるために、保護主義的言動を強め斜陽産業の国内雇用保護を訴求するのだ。

そして、今日の写真はチューリッヒの老舗チョコレート、シュプルングリ。

銀座4丁目にあたるパラデ・プラッツに面した本店。スイス銀行本店の対面にあり、9階のトレーディングルームからよく全景が見えた。私がポジションで負けが込むと、シュプルングリのチョコレートをかじって頑張った思い出がある。そのことを本に書いたのだが、それを読んでいた知り合いがスイス出張の折りお土産に買ってきてくれた。私にとってはセンチメンタル・バリューがあるね~~。

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2018年