豊島逸夫の手帖

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イタリア・リスクと金

2018年5月31日

イタリア政治経済不安が市場を直撃した時は、NY金価格は上がらず1300ドル以下、イタリア・リスクが後退すると1305ドルへ上がってきました。前回本欄で金はもっと上がっても良さそうなのにと書きました。要は金市場が政治・地政学要因に対して鈍感になっていると感じます。リスク慣れしたとでも言いましょうか。金価格が今になって上がってきたのは、結局金利要因だと思います。最新FOMC議事要旨では利上げは急がずゆっくりしたペースでというニュアンスが感じられ、今年の利上げ回数も年4回説の確率が11%にまで急落したことは金利を生まない金にとっては安堵材料です。年3回のペースなら金価格も下げにくいと今朝の日経朝刊マーケット面でもコメントしました。FRBは既に3月に利上げして、6月利上げもほぼ100%の確率と見られています。今後9月、12月に利上げ継続するのかが市場の関心事なのです。まだ秋冬まで時間はタップリあるので予断を許しませんが、現状9月は利上げ見送り、12月に今年3回目の利上げかとの観測が優勢になっているわけです。9月利上げ、12月は利上げ見送りのシナリオも「あり」です。

賃金・物価の伸び悩みがやはり主因。来年には景気循環サイクルの最終段階に入り、利上げどころか利下げの心配をせねばならぬ経済環境になるかもしれません。今回の利上げサイクルも最終的に3%程度で打ち止めになるとの観測も目立ちます。保護主義、新興国不安が経済減速要因として効いていますね。

IMFは巨額の累積債務問題を抱える中国の経済成長率が年5.5%にまで落ちると見ています。米中貿易戦争もまだ「ライブ」ですから要注意です。

2018年