豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 米中貿易戦争本格化
Page2632

米中貿易戦争本格化

2018年9月18日

昨日NY時間にトランプ大統領が対中追加関税2千億ドルを念頭に「今日のNY市場引け後に何かしら発表する。」と語り、東京市場がその発表をもろに受ける巡り合わせとなった。そして午前7時過ぎに予告通り発表。関税率が今年10%、来年から25%とやや妥協的な含みを残す結果だったので市場は暫時安堵。

そして気になるのは「次は日本」

「日米通商交渉の相手はミスターアベか?対抗馬の発言力は?」

今朝NY市場から投げられる質問だ。まだミスターイシバという具体的人名までは認知されていない。しかし米中貿易戦争の次はジャパンという認識は強い。特に外為市場では短期的円買いを仕掛ける意図が透ける。

時期的にも中間選挙へ向けカウントダウンの段階だ。直近ではマナフォート・トランプ陣営元選挙対策本部長が有罪を認め、捜査協力に応じる姿勢だ。トランプ大統領としては国民の目をロシアゲートからそらすために中国の次の「通商標的」が必要だ。既に同盟国の欧州、カナダ、韓国とは一戦を交えた。残るは日本。与党総裁選が終われば交渉相手は明確になる。

懸念される自動車数量規制のカードを切ってくれば、円相場はまず109円台も覚悟せねばなるまい。ヘッジファンドには100円などという見方もあるが、今月はFOMCも控え利上げというドル高要因も強く意識される。基本的に円高に振れる可能性はあるが一過性との読みで、短期売買による乱高下となりそうだ。

株式市場では先週金曜日のNY市場で、前場には米中通商交渉再開の楽観論でダウ平均も上がっていた。しかし昼にかけ、ホワイトハウスから対中強硬姿勢は変わらずとの情報が流れ瞬間的にダウ平均が急落。後場は市場のセンチメントが一転して悪化。昨日月曜もNY市場引け後に対中追加関税発表とのトランプ大統領予告発言でダウ平均は下げていた。結局ムニューチン財務長官主導の対中交渉の限界が露呈され、ライトハイザー通商代表部代表らの強硬派に押し切られたとの市場の認識である。ライトハイザー氏と言えば、やはり市場は対日強硬派の代表格と見る。

なお日銀金融政策決定会合も今回は無風と見られるが、欧米市場ではFRB、ECBに続き「次はBOJ=日銀」との出口観測が依然根強く、異例の関心度の高さが続いている。

金市場への影響だが、折からインドルピーが最安値を更新。人民元も上海株安と相まって安い。結果的に現地通貨建て金価格は安くならず。価格効果と保護主義=経済減速の所得効果の両面から新興国金需要が盛り上がらない。筆者の想定より安値圏が長引いている。いずれ中国・インドも買うのは必至だがまだ様子見ということだ。

さて本ブログでお馴染みの私のお気に入りイタリアン「マガーリ」。ブログ読者も多数来店。今回場所が洗足池から自由が丘に引っ越しました。自由が丘駅周辺はややこしいけどね。東急線の踏切や高架が入り組んでいる。南口徒歩1分。リストランテではなくカジュアルなトラットリア。マガーリで検索にかければヒットするよ。美人マダム(まゆみちゃん)と料理センス抜群のシェフ「たかさん」健在。久し振りに堪能した。写真はオマール海老のイタリアン風。マダムがサーブしているのは何とか牛(笑)のタリアテーレ。絶品~~。

2902a.jpg
2902b.jpg
2902c.jpg


2018年