豊島逸夫の手帖

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国内金価格1年7か月ぶり安値

2018年7月31日

NY金価格が1220ドル前後まで下落。円相場は111円前後で円高とも円安とも言い難い水準。その結果、円建て金価格は下げ。

今後NY金が1200ドルの大台攻防になる時は、ドル金利が上昇してドル高・円安(115円程度)が見込まれるので、円建て金価格の下げ余地は限定的。買いの値頃感あり。

そして世界の市場が注目の日銀。

金融政策決定会合の結果が発表され、結論から言うとサプライズは無し。

マーケットに異変があればミスタークロダが強力且つ柔軟な金融緩和政策でヘッジ役を果たしてくれる。

今回の日銀金融政策決定会合に異例とも言えるほどの関心を示していた海外マネーには一定の安堵感が顕著に見られる。

「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」という見出しのもとにフォワードガイダンスを導入したことは、金利政策の方向性を明示することで市場への闇討ちは無しと受け止められる。

若干の変化と言えばイールドカーブコントロール政策に対する反対者が1名から2名に増加。マイナス金利適用対象を10兆円程度から減少という程度だ。

株式市場注目のETF購入についても予想通りの構成内容変更。ざっくり言えばTOPIX9割近く、日経平均1割程度になる。

概ね事前予想の範囲内と言える。

もし日銀が長期金利上限を引き上げていれば、米国10年債利回りが3%の大台を再突破する可能性もあった。それほどに日銀の動きは海外市場に直接的影響を与える要因になっている。

当面日銀の低金利政策が世界の金利上昇を抑える役割を果たしてゆくことになりそうだ。

黒田さんが世界の金利上昇を抑えるから、金市場から見ればサンキュー、ミスタークロダ(笑)。

2018年