豊島逸夫の手帖

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米中貿易戦争「水入り」、焦れる市場

2018年4月5日

市場で米中貿易戦争は中期的材料になった。

米中、持ち札を提示しあった段階で、結論は5月から場合によっては6月にずれこみそうな形勢だからだ。

今後の米国側のスケジュールをまとめてみた。

・5月4日

 USTR(通商代表部)の制裁関税分野等についての意見を募るパブリックコメントの期間(30日間)が終了

・5月15日

 USTR公聴会

・5月21日

 財務省が中国からの投資規制案を提示

・5月22日

 米国側の制裁関税案提示

その後にトランプ大統領による最終決定となる。その間、中間選挙を睨み選挙区を意識した言動が予想される。

結論が出るまで2か月余ということになれば、米中貿易戦争という材料が陳腐化する可能性もある。

そこで市場の視点は足元では雇用統計に移りつつある。

貿易戦争懸念で売られた部分は昨日のNY市場でかなり買い戻され、リセットされ雇用統計に備える動きが顕著だ。

昨日のNY市場が500ドル以上も急落した後、700ドル以上も急反騰して結局ダウ230ドルで引けた背景とも言えよう。

市場のセンチメント(雰囲気)はVIXが端的に表している。

一時は23台まで急騰したが21台まで反落。とは言え、警戒水域とされる20台に高止まりしている。

貿易戦争懸念が底流として続く以上は、5月にかけてVIXは高水準に留まりそうだ。更に米中瀬戸際外交の過程で過激な言動が飛び出せばVIX急騰の局面も考えられる。

円相場も貿易戦争が「水入り」となり、円安に振れても米中交渉の雑音でリスクオフになれば円高に振れやすい地合いだ。

米債券市場では米10年債利回りが2.8%を回復したが、2.7~2.9%のレンジにはまった感じ。金も1350ドルの大台に再び跳ね返され1330ドル台。債券も金も膠着状態。雇用統計で動くか。

貴金属市場では金・プラチナの値差が400ドルにまで拡大。パラジウムも軟調。

下図は私がセミナーで使う資料だが、金は通貨と商品の二面性を持つ。対してプラチナは純粋な商品。それゆえリスクオンで買われるプラチナとリスクオフで買われる金となる。

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話題は変わって、今年の筍はなんと卸売6割安だという記事が日経商品面に掲載されていた。昨年は超不作だったから今年は当たり年みたい。筍にも表の年と裏の年がある。毎年京都にわざわざ筍を食べに行くほど筍好きの私にはトランプ発言よりビッグニュース(笑)。

写真は祇園らく山での筍料理。たまらん(笑)。

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2018年