2018年2月6日
昨日のNY市場で起きた史上最大のNY株暴落。下げ幅は1175ドル。但し、下落率は4.6%で史上最高ではない。
ツイッター@jefftoshimaで「NY株警戒警報発令」とツイートしたのがNY寄付き2時間前。その後30回ツイートしたから、それを辿れば何が起きたか分かる。
結局「劇場のシンドローム」と言われる現象だ。満席の劇場で観客が一斉に出口に殺到するイメージである。
株急落を説明する材料も特にない。金利上昇が株価急落を誘発と言われたが、米10年債利回りは2.8%台から2.7%台に下落している。株から債券へマネーが逃避したことを示す。
安全資産といわれる金の価格は1340ドル近辺まで上昇した。
外為市場でも特筆すべき大きな変動はない。若干だが株安が円高を誘発している程度だ。
株急落の実態はコンピューター・プログラムが売りの注文を発動して、売りの連鎖を誘発したことによる現象と言えよう。相場もAI時代の「ニューノーマル」か。NY証券取引所もサーキットブレーカー発動直前までいったが、結局発動されずに済んだ。
奇しくもパウエルFRB議長就任の日だったが、金融政策面では利上げ確率が軒並み下落している。今後の展開次第では「利下げ」さえ絵空事とは言えない。なお、自由の身になったイエレン前FRB議長は早速CBSテレビに出演。「株は高過ぎるとは言えないが高い。やや心配している。」と語った。議長在職中であれば材料視されたであろう。「FRB議長2期務められず残念。」と正直な気持ちも語った。
株高を自慢していたトランプ大統領がどのように反応するのか。市場は大統領に不信任投票を叩きつけているようにも見える。
冷静に見れば、これまで楽観的であった市場に来たるべき調整局面到来ということだろう。10%程度の調整は不可避と語られて久しい。それがやっと現実となった。
これだけの株暴落なら金も暴騰してもおかしくないが、上がった金を売って利益確定させ、株損失の穴埋めをするという機関投資家の行動も見逃せない。これこそ「有事の金」の真意である。
なお、コインチェック関連の日テレニュースでコメントしてます