豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 危うい米国第一主義
Page2552

危うい米国第一主義

2018年5月23日

トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」もすっかり使い古され陳腐化した単語になりましたが、その危うさは益々無視できない状況にあります。

米国の一方的なイラン核合意破棄に関しても、英独仏の欧州勢は核合意維持の姿勢を変えません。米国抜きのイラン核合意も模索されます。その結果欧州が米国と距離を置き、ロシアの求心力に反応するようになっています。ウクライナ問題、英国でのロシアスパイ問題などでロシアへの警戒感が強まりましたが、ここにきて外交の潮目が変わりました。米国のオウンゴールでロシアがほくそ笑むイメージですね。

更にイランへの経済制裁再開にも欧州勢は反対です。しかし米国は欧州勢にも容赦なく、イランと取引すれば制裁に踏み切る構えです。その結果イランはロシアと中国へ接近することになります。米国がイスラエルの首都をエルサレムと認定したこともサウジアラビアなど中東諸国の反発を買い、ロシアになびかせる一因と言えます。そしてイスラエルもイランを封じ込めるためにロシアに接近しています。

総じて米国が中東への戦略的影響力を弱めることで、ロシアの存在感が浮上していることは否めません。

マーケットでの地政学的要因としての中東情勢も依然目を離せない状況です。

金価格が1300ドルを割り込んでも買い支えられていることの背景には、やはり地政学的リスクの存在があります。

そして今日の写真は、またまた山菜。

サラッと揚げて塩振って食べるのも良し、山菜採り合わせを楽しむも良し。毎日食べても飽きませんね。NYでの肉食系の日々とは打って変わって(笑)草食系の毎日です。NYで諸々新たな仕事を引き受けてきて連日御用繁多ですが、山菜に癒されてます~。

2822a.jpg
2822b.jpg

2018年