豊島逸夫の手帖

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ECBの次はいよいよ日銀、欧米の視点

2018年12月14日


ドラギECB総裁が、年内で量的緩和終了を確認した。但し、償還期限を迎えた保有国債の再投資は続ける。


市場の目はECB利上げ開始時期に移っている。ドラギ総裁の任期が切れる2019年9月までには利上げせずとの見方が強い。更に膨張したECB資産圧縮となれば、開始時期など見当もつかない。


更に、欧米市場の目は日銀に向く。
日本では、日銀の量的質的緩和終了などまだまだ先との見方が圧倒的だ。
しかし、欧米市場では日銀の出口が切迫感を持って語られる。
2019年円相場見通しでも欧米勢に円高予測が目立つ。
市場では、外電が観測記事を流すとマーケットは反応する。日本との温度差を感じる。
日本の視点ではほぼあり得ないことでも、NY時間中に観測記事で円高になれば、日本時間にその円高を修正するにはかなりのエネルギーがいる。マーケットでは、しばしば「言ったもの勝ち」である。日銀の立場でも、観測記事に対して火消しに動くことはないし、動けば逆に日銀の焦りと勘繰られる。


株式市場では、25兆円前後とされる日銀ETF買い残高の「後始末」が注目されている。
ヘッジファンドの友人たちに招かれ日本株のレクチャーをするときも、必ず出る質問が「日銀は買った株をいかに処理するのか。塩漬けか」。筆者は「分からない。」と肩をすくめ、「ミスタークロダも分からないのでは。」と答えている。日本株について下調べして来ている参加者は「日銀ETF買いで、日経平均は4000円ほど上積みされているはず。」と語る。「午前中に日経平均が下がると、午後2時頃、日銀が買いに入ることが多い。」と説明すると「それでは、上海市場の国家隊買い支えと同じようなもの。」とのつぶやきも聞こえる。
「日本株の魅力は?」と尋ねると「ガイコクジン売買が7割を占めると言われる市場ゆえ、自分たちで動かせること。」と言ってのける。日本人としては足元を見られている悔しさが募る。


2019年は、日銀金融政策決定会合がこれまでになく海外から注目されそうだ。
「次は日銀」
欧米市場の視線は熱い。


次にブレグジット続報。
市場が恐れる最悪シナリオはメイ首相ではなくコービン労働党党首だ。看板政策が、法人増税、鉄道郵便再国有化、エネルギー価格凍結、金融センターであるシティーの金融規制強化。確率25%ほどだが、労働党政権になればポンドは更に2~3割は暴落しよう。ポンド安の結果、ドル高になるので金には下げ圧力がかかるが、市場全体がリスクオフになるので買い圧力もかかり、金市場内では拮抗しよう。


今日の写真は蕎麦!私は自称「蕎麦評論家」。ランチ週3回は蕎麦屋かな(笑)。


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蕎麦は炭水化物が多く、それをゆっくり噛まずに「たぐる」ので、食後血糖値が急騰するため、実は「健康食品」ではない。(かと言って、蕎麦をひとつずつ箸でつまんでゆっくり食べるのでは、伸びてしまって台無しだしね~~。)

お好みは、田舎風蕎麦。白い上品な蕎麦より好き。そして、蕎麦がきもいいね。写真のは特に絶品で、ふわりと仕上がり、蕎麦がきのイメージが変わる!


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2018年