豊島逸夫の手帖

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北極星頼りの金融政策

2018年8月27日

市場注目のジャクソンホールでの中央銀行フォーラム。

完全雇用に近く失業率は低下しているのに賃金上昇、物価上昇が鈍い。パウエルFRB議長は講演で今の市場が注目する問題点を論じた。イエレン前議長はこの現象を「ミステリー」としたが、パウエル氏はもっとロマンチックな表現を使った。曰く「金融政策は天測航法に似たり」。すなわち星座を観測しながらの航海に例えたのだ。問題は星の位置がはっきりしないことだと言う。中央銀行出身のFRB議長ならまず使うことのない表現だ。実務家出身らしい。

市場注目の利上げペースについては両論併記。利上げを急ぎ過ぎれば景気の腰を折るリスク。利上げが後手に回れば景気過熱のリスク。そこで市場の反応だが今回は前者の利上げ慎重論を重視した。パウエル氏の講演は「ややハト派」との受け止め方だ。更に市場の注目は今年の利上げから、来年利上げが打ち止めになる可能性に移る。トランプ減税効果が一巡すれば米国景気が下降するケースだ。新興国経済危機などのリスクも無視できない。

外為市場ではドルインデックスが急落。NY金は急騰した。

なぜ市場が今回はハト派的発言に特に反応したのか。

既にマーケットでは過去最大級のドル買いポジション、金売りポジションが蓄積していたからだ。

結果的に絵に描いたようなドル売り戻し、金買い戻しラリーとなった。NY金は1200ドル台を回復。

ここまでは、ほぼ想定内。

さて問題はこの巻き戻しが一巡後、更にドル売り・金買いが新規に続くかということ。

中期的には底値圏と見るが短期的に未だ底を打ったとは見えない。

NY市場は依然夏季休暇モードで超閑散だ。値動きだけは激しい。

8月末の米国レーバーデイウィークエンドが明けるといよいよ本格的秋相場入りとなる。

2018年