2018年1月9日
2018年の初仕事は、地上波で仮想通貨とデジタル法定通貨について吉本芸人に20分ほど説明するという「むちゃぶり」(笑)の仕事でした。
デジタル法定通貨まで盛り込んだのは欲張り過ぎだったかな。
南米ウルグアイで法定デジタル通貨「eペソ」の試験運用が始まり、スウェーデンでも「eクローネ」試験的導入が検討されているとのこと。いずれ日本でもe円の可能性も。日銀と民間銀行との間の決済に限定すればあり得ることです。
デジタル法定通貨はあくまで国が発行する通貨。それに対して仮想通貨は国が発行する通貨ではありません。通貨としての裏付けはデジタル化した仮想通貨売買台帳。改ざんされず分散して保管されるので「安全」と見做されます。それでも悪意を持った人が仮想通貨に関与すれば「持ち逃げ」などのリスクもあり得るわけです。勿論、当局の管理も強まっていますが。
話が仮想通貨に流れましたが、法定デジタル通貨は決済が簡素化され、紙幣の印刷・流通・警備などのコストも削減できます。
とは言え、日本は世界に冠たる(?)現金大国。巨額のタンス預金が眠っています。現金信仰が特に強い国なのでATMが日本国内に20万台も設置されている。そんな国は日本だけですよ。ATM一台300万円。その維持費が月間30万円。締めて2兆円がATM年間維持コストとなります。
それほど現金への執着が強い国ゆえ、e円と言っても国民には心理的抵抗が強そうですね。しかし世界の流れには逆らえず、若い世代から徐々に受け入れてゆくと思います。勿論、まだ先の話ですが。
ちなみに、お賽銭にも電子マネーが導入されている事例も紹介しました。
では金への影響は?そもそも現代では金が通貨として売買決済に使われているわけではありません。バーチャルなデジタル通貨や仮想通貨への反動から、実体のある金が選好される状況もあるでしょう。一般論としては、通貨の価値と言っても紙幣・硬貨・金・仮想通貨、どれをとっても所詮「思い込み」でしょう。ただ金は通貨としての歴史が長いので、それだけ信用度も高いことは間違いありません。