豊島逸夫の手帖

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英国EU離脱、泥沼化

2018年11月16日


ブレグジットがこじれにこじれて、からまった糸に巻き付かれたメイ首相が、もがけばもがくほど深みにはまる事態となってきた。


英国経済の視点ではEUと自由貿易できる関税同盟関係は崩したくない。つまり、貿易に関してはEU諸国と自由に貿易を続けたい。でも、EU側の立場ではそんな都合の良い話は受け入れ難い。


人の移動の点で最大の問題は、英国が唯一陸続きの国境を持つ北アイルランド。ここに英国領北アイルランドとアイルランドの国境がある。EUになってからは事実上この国境は消えた。例えば主要幹線道路は国境に関係なく建設されたので、結果的に国境と出たり入ったりを繰り返す道路になっている。ここで英国がEU離脱すると、幹線道路のあちこちに「国境検問所」が設けられる事態となる。そこでこの国境だけは、例外的に英国がEU離脱しても自由に行き来できる特別措置にしようか。いやいや、そのような例外的措置は認められない。だったら北アイルランドを英国から切り離せ。それはとんでもない話だ。というような議論が空回りしている。


結局メイ首相の妥協案は英国のEU離脱派にも残留派にも不満が残るので到底まとまらない。与党内でも意見が分かれ、議会でも当然真っ二つに意見は分かれる。
メイ首相は閣内強行突破して「閣内不一致は解消」としたが、これは禍根を残した。造反主要閣僚が4人も辞任する騒動に発展。
そして議会を通すことも更に至難の業。メイ首相の不信任案まで出てきそうだ。


このまま英国国内がまとまらないとEU離脱を問う国民投票をやり直すか。あるいは協議離婚は諦め、喧嘩別れ(ハード・ブレグジット)するか。後者を選択すれば経済は大混乱に陥る。
待ったなしの攻防が続く。残された時間はない。

市場もいつ何時大変動が起きるやも知れぬ緊張感に包まれている。特に外為市場のポンドが乱高下の震源地だ。


さて、昨晩はボジョレーヌーボーの宴。わざわざ福島県郡山市まで遠出。午後5時の新幹線で7~9時のパーティー。夜9時半の新幹線で帰京というスケジュール。

なぜ郡山?それは私がご贔屓の演歌歌手「紅(くれない)晴美」の演歌ショーがあるから(笑)。紅晴美と言っても、最近時々NHKの歌番組にも出て全国区になっているけどまだまだ無名に近い。でも福島県ではラジオ福島を通じて知られた名前(知らない福島県人も多いけど)。地元のマシコ時計店社長と友人なので(私は「先代」と読んでいるが)、同社主催のボジョレーヌーボーの催しに毎年ご招待いただいている。ちなみに私はアルコール一切飲まずひたすら食べるだけ。

今年は紅晴美が美空ひばりの歌を6曲も歌うというので、私はさっそく「花笠道中」をリクエストした(笑)。基本的には3の線のキャラなんだけど歌はうまい。私からも「紅晴美です!よろしくお願いします(笑)。」

楽しいひと時でした。第二の故郷福島も今年の11月はあったかいね~~~。

2018年